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e-cancer:乳がん 患者がどこで乳がん手術を受けるか選択することで、医療格差は助長されるのか?

12 Jan 2024

治療法を決定するパートナーに患者を含めることは、患者中心の医療において重要な側面がある。

英国で実施された新規研究では、乳がん患者が自分の症状に合わせてどこで手術を受けるかを検討する際の選択肢が検討され、当該の選択を提示する方針が医療制度の不平等にどのように影響を与えるかを評価した。

本研究結果は、WileyがAmerican Cancer SocietyのCancer誌オンライン版で発表している。

本研究で研究者らは、がん患者にがん治療を提供する病院を選択する機会を与える英国の公的な医療サービス制度である National Health Service (NHS) のデータを解析し、
2016~2018年に乳がんと診断され、乳房温存手術または乳線切除術を受けたすべての女性に特定した。

記録によると、乳房温存手術を受けている患者69,153名のうち22,622名(32.7%)、乳線切除術を受けている患者23,536名のうち7,179名(30.5%)が、最寄りの病院ではなく、自宅から遠く離れた場所で手術を受けたことが示されている。

年齢が若く、他の持病がなく、白人系の背景を持ち、地方に住んでいる女性ほど、より遠くの病院に行く可能性が高かった。

患者は、手術後に乳房再建術を直接受けていなくても、乳房再建専門施設に分類される病院で治療を受ける可能性が高かった。

乳線切除術および即時乳房再建術を受けた患者は、乳がん手術に関して主力メディアで高い評価を得ている外科医がいる病院を受診する可能性が高く、手術待機時間が短い病院を受診する可能性は低かった。

患者は、病院の研究活動、品質評価、乳房の再手術率(見逃されたがん細胞を追加で切除する)、集学的がんセンターとしての地位(患者が一箇所ですべての治療を受けられる)に基づいて選択することはなかったようである。

研究者らは、高齢患者、併存疾患を持つ患者、少数民族の患者は地元の病院で治療を受け、一方で、他の病院や専門センターで治療を受ける患者もおり、質の高いケア対するアクセスの不平等をさらに助長する可能性があると指摘した。

「疎外されたグループはすでに質の高いケアの障壁に直面しているため、政策立案者は、例えば送迎や宿泊施設の無料提供、あるいは収入減に対する保護など、交通の便と治療結果における不平等拡大リスクの軽減措置の検討が重要である」と、共著者であるLondon School of HygieneのLu Han氏は述べている。

「さらに、患者は診断が必要なマネジメントパスウェイの開始時に、地元の病院の乳がん治療の質に関する情報にアクセスすることを好む。そのような情報は理解しやすく、患者がしなければならない妥協をサポート可能な形式で提示されるべきである」

 

https://ecancer.org/en/news/24024-where-do-patients-choose-to-undergo-breast-cancer-surgery-and-do-these-choices-drive-health-care-inequality

(2024年1月9日公開)

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