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e-cancer:皮膚がん 皮膚の自己検診をしているか? 皮膚がんの発見には「自信」が重要であり、ソーシャルメディア広告が役立つ可能性がある

28 Jun 2024

夏になり、日差しを楽しむ季節になった。しかし、安全に日差しを楽しむことも大切だ。

皮膚がんは米国で最も一般的ながんであり、そのほとんどは日焼けが原因で生じている。

新たな研究で、皮膚に対する自己認識と定期的な自己検診が皮膚がんの診断を受けた場合の治療成績の向上と強い関連をもつことが示された。

皮膚の自己検診の啓発とメラノーマによる死亡の削減を目的とした効果的な介入策を探すための取り組みの一環として、Oregon Health & Science UniversityとLewis & Clark Collegeの研究者は、Fred Hutchinson Cancer Research CenterおよびUniversity of Washingtonの研究者らとともに、米国で初めて地域住民を対象としたメラノーマ・リテラシー調査を実施した。

 

知識+自信

調査はオレゴン州、ワシントン州、ユタ州の15,000世帯を対象とし、2,326件の回答を得た。その結果、メラノーマに関する知識の向上と皮膚の自己検診の信頼性の強化を併せて進めることで、皮膚がんの早期発見を増やし、命を救える可能性があることが分かった。

この研究はPigment Cell & Melanoma Research誌に”Melanoma literacy among general population of three western U.S. states “と題した論文として発表された。

「オレゴン州と他の2つの州で調査を行った結果、一般的に人々は自分の皮膚をチェックすべきだということは知っていたが、それをうまくできる自信がないことが分かった」と、Lewis & Clark Collegeの心理学教授でBates Center for Entrepreneurship and LeadershipのdirectorであるBrian Detweiler-Bedell氏は述べた。「つまり、そこにギャップが存在した」

「そこで我々は、人々が自分の皮膚をチェックする能力にもっと自信を持てるようになるにはどうすればいいか、という点に特に焦点を当てる必要があると考えた」とLewis & Clark Collegeの心理学教授でCenter for Community and Global HealthのdirectorであるJerusha Detweiler-Bedell氏は述べた。

Detweiler-Bedell夫妻は、この研究の行動科学的分野を主導している。このプロジェクトの医科学分野のリーダーは、John D. Gray Endowed Chair for Melanoma ResearchとOregon Health & Science University’s School of Medicineの皮膚科教授を務めるDr. Sancy Leachmanである。

「メラノーマを見つけるためには目がまさに最高の道具となる。皮膚にできたほくろやシミの大きさ、形、色などの見た目に変化が見られる場合はメラノーマの重要な徴候である」とLeachman氏は述べた。「メラノーマがステージ1または2で早期に発見された場合、5年相対生存率は極めて高く、ほぼ100%である。しかし、ステージ4で発見された場合、5年相対生存率はわずか35%である。だからこそ、定期的に自分自身の皮膚をチェックする力をつけ、目でみることが役立つことを広く知ってもらうことが非常に重要である」

回答者のうち皮膚の自己検診の成績が最も強く関連していたのは、より高いメラノーマの知識と、より高い自己効力感、つまりある行動を効果的に完了する能力に対する自信であった。

 

 ソーシャルメディア広告

次のステップとして、Leachman氏とDetweiler-Bedell夫妻は、University of OregonのCenter for Science Communications Researchの研究者らと協力し、メラノーマの知識とスキンチェックの信頼性向上を訴求したソーシャルメディア広告を多数開発し、検証した。この結果は最近、JID Innovations誌に”Evidence-Based Communication to Increase Melanoma Knowledge and Skin Checks “と題した論文で発表された。

「結果から言えば、真に有効なのは自信を持つことであった」とBrian Detweiler-Bedell氏は述べた。

「私たちは、知識と自信の組み合わせが重要であることを実証することができたが、特に、本当に重要なのは自信であった」とJerusha Detweiler-Bedell氏は述べた。「もちろん、不健康なほくろや疑わしい可能性のあるほくろがどのようなものかを知っておく必要はある。しかし、まず自分自身を信じることができなければ、自分の肌のチェックを怠るか、チェックしようとはしないかもしれない」。

本研究には、University of Oregon Center for Science Communication ResearchおよびSchool of Journalism and Communication、Ohio State UniversityのDepartment of PsychologyおよびSchool of Journalism and Communicationの教員も執筆に加わっている。

 

https://ecancer.org/en/news/24929-doing-a-skin-check-confidence-is-key-social-media-ads-may-help

(2024年6月25日公開)

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