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18 Sep 2025
米国の新たな研究は、早期がんの根治を目的に手術を受けた多くの患者が、手術後1年間にオピオイドの処方を継続または開始していることを示している。この研究結果は、Wiley社刊行のAmerican Cancer Societyの査読付き学術誌CANCER誌オンライン版に掲載された。
がん診療において疼痛管理は不可欠であるが、がん治療に関連するオピオイドの処方慣行は、安全でない長期のオピオイド使用や、オピオイド使用障害および過剰摂取といった望ましくない転帰につながり得る。
状況を評価するため、研究者らは、がん診断前の1年間にオピオイドを処方されていなかった米国退役軍人9,213名を対象に、病期0~Ⅲ期のがん手術後1年間における新規の持続的オピオイド使用の割合を検討した。
研究チームは、追跡調査期間中に退役軍人366名(4.0%)にオピオイドとベンゾジアゼピン(不安・不眠・けいれんの治療に用いられる中枢神経抑制薬で、オピオイドとの併用禁忌)の潜在的に危険な併用処方が発生したことを確認した。持続的オピオイド使用は981名(10.6%)に認められた。
治療中のオピオイド処方への曝露強度が高いほど、これらの転帰と関連していた。慢性疼痛の既往歴がある者、併存疾患が多い者、社会経済的地位が低い者、そして補助化学療法を受けた者は、術後1年間のオピオイド使用のリスクが特に高かった。
がん治療に伴うオピオイド曝露を最小限に抑えつつ、効果的な疼痛管理を行うことは、がんサバイバーにおける長期的な健康リスクを低減させるだろう」と筆頭著者のMarilyn M.氏は述べた。
(2025年9月8日公開)