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29 Jan 2026
Alliance for Clinical Trials in Oncology が主導した全米規模の臨床試験により、経口抗悪性腫瘍薬であるアベマシクリブが、特定の遺伝子変異を有する悪性度の高い髄膜腫患者において、腫瘍増殖を抑制する可能性があることが示された。
Alliance A071401試験の主要解析結果は、Nature Medicine誌に掲載されている。
髄膜腫は、脳および脊髄を取り囲む髄膜に発生する腫瘍であり、最も一般的な原発性脳腫瘍である。
多くは良性または治療可能であるが、NF2などの遺伝子に変異を有し、CDK経路に異常を伴う悪性度の高い髄膜腫は致死的となり得る。
手術および放射線治療後に再発、または増大を続ける悪性と判断される髄膜腫患者に対しては、治療選択肢が極めて限られている。
「再発または進行を示す高悪性度髄膜腫患者に対しては、これまで治療選択肢が極めて限られており、これまでに実施されてきた薬物療法の臨床試験の大半は期待外れの結果に終わってきた」と、上席著者であるMass General Brigham Cancer Instituteの神経腫瘍医であり、Alliance Neuro-Oncology Committee の共同議長を務めるPriscilla Brastianos, MD は述べた。
本試験が、遺伝子変異検査に基づいて患者を登録した初の全国規模の研究であったことに言及した上で、Brastianos氏は「本研究は、髄膜腫患者を対象としたゲノム主導型試験が実施可能であること、特定の遺伝子変異を有する患者において標的治療が治療成績を改善し得ることを示している」と述べた。
Alliance A071401試験では、NF2変異またはCDK経路の異常を有する腫瘍を伴うGrade 2または3の髄膜腫患者が追跡された。
評価対象となった全ての患者は、以前に手術、放射線治療、またはその両方を受けていた。
患者は、現在一部の乳がんに対して承認されているCDK阻害剤であるアベマシクリブを、平均9サイクル投与された。
アベマシクリブで治療を受けた最初の24例の患者のうち、58%は治療開始後6ヵ月以内に高悪性度腫瘍の進行を認めなかった。
本試験では、手術および放射線治療後の高悪性度腫瘍患者に対して標準的な治療選択肢が存在しないことから、対照群は設定されなかった。
しかしながら、これらの結果はGrade 2または3の髄膜腫患者において、実験的治療開始後6ヵ月時点で腫瘍の進行を認めなかった患者の割合が平均0~29%にとどまっていたとする過去の研究結果と比較して、良好である。
Alliance A071401試験において、無増悪生存期間の中央値は10ヵ月、全生存期間の中央値は29ヵ月であった。
副作用は、他のがんに対してCDK阻害剤を投与されている患者で認められるものと同様であった。
主な副作用として、下痢、倦怠感、頭痛、ならびに悪心・嘔吐が認められた。
患者の約4分の1に、治療に関連している可能性がある、または関連している可能性が高いと判断された重篤な副作用(Grade 3または4)が認められた。
「これらの注目すべき結果は心強いものだが、十分に研究されてこなかったこの患者集団に対する治療を改善するためには、なお取り組むべき課題が残されている」と、Brastianos氏は述べた。
(2026年1月21日公開)