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06 Mar 2019
機械学習は近年劇的に進歩しており、医用画像解析の分野で大きな期待を集めている。
ダートマスのNorris Cotton Cancer Centerのリサーチスペシャリストチームは、肺腺がんは、世界中でがん関連死の主因となる最も一般的な形態である肺腺がんの腫瘍パターンやサブタイプの等級づけという困難な課題を補助するために機械学習機能を利用している。
現在、肺腺がんは、腫瘍のパターンおよびサブタイプを決定するために、病理学者による肺葉切除術スライドの目視検査が必要とされる。
この分類は、肺がんの予後および治療の決定において重要な役割を果たすが、難しく主観的な作業である。
機械学習の最近の進歩を利用して、Saeed Hassanpour氏率いるチームは、組織病理学スライド上で異なるタイプの肺腺がんを分類するためのディープニューラルネットワークを開発し、そのモデルが3名の実践病理医と同レベルで機能することを見出した。
「われわれの研究では、機械学習が困難な画像分類作業で高いパフォーマンスを達成でき、肺がん管理の資産となる可能性があることを実証している」とHassanpour氏は述べる。
「われわれのシステムの臨床的実施により、予後と治療にとって重要な肺がんサブタイプの正確な分類において病理学者の助けとなる可能性がある」
チームの結論である、「ディープニューラルネットワークを利用した、切除された肺腺がんのスライド上の組織学的パターンにおける病理学者レベルの分類」はScientific Reports誌に掲載されている。
このアプローチが他の病理組織学的画像分析作業にも潜在的に適用可能であることを認識して、Hassanpour氏のチームは、この分野における新しい研究と共同研究を促進するために彼らのコードを公に利用可能にした。
チームは、肺がんの分類を改善する能力を検証するために、臨床現場でのディープラーニングモデルのテストに加えて、乳がん、食道がん、および大腸がんにおける他の困難な組織病理画像解析作業にこの方法を適用することを計画している。
臨床試験を通じて検証されれば、われわれのニューラルネットワークモデルは、病理医を支援するために、臨床診療における将来の実現可能性を秘めている」とHassanpour氏は述べる。
「われわれの機械学習方法はまた、速く、かつ1分以内にスライドを処理することができるので、医師による検査の前に患者をトリアージでき、そして将来的には、スライドの目視検査において病理学者を強く支援する実現可能性を秘めている」
https://ecancer.org/news/15557-a-new-machine-learning-model-can-classify-lung-cancer-slides-at-the-pathologist-level.php
(2019年3月4日公開)