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15 Aug 2019
主要な第III相臨床試験の予備結果は、遺伝子標的薬であるオラパリブにより、腫瘍にDNA修復障害がある進行性前立腺がんの男性の転帰が改善することを示した。
Institute of Cancer Research(ICR)とRoyal Marsden NHS Foundation TrustのJohann de Bono教授が率いるPROfound試験は、BRCA突然変異など、細胞のDNAを修復する能力に関与する遺伝子における15個の欠陥のうち1個がある男性を選択した。
その結果、これらのDNA修復障害を持つ遺伝子を持つ男性にオラパリブを投与すると、ホルモン療法エンザルタミドまたは別の標的治療であるアビラテロンを投与した男性よりもがんが再発することなく長生きすることが示された。
オラパリブは、欠陥のあるDNA修復遺伝子を持つがん細胞を選択的に殺す、遺伝子標的治療である。
新しい臨床試験は、腫瘍のBRCA遺伝子に欠陥がある男性の約80%がオラパリブに反応したという初期段階の試験の続きである。
プレシジョン・メディシン
ロンドンのInstitute of Cancer Research のCancer Researchの研究教授であり、Royal Marsden NHS Foundation Trustのコンサルタント腫瘍内科医Johann de Bono教授は、次のように述べている。「われわれの臨床試験は、進行性前立腺がんの男性にプレシジョン・メディシンを提供する最初の試験である。 これらの結果は、欠陥のあるDNA修復遺伝子を持つがん細胞を特異的に標的とする治療であるオラパリブが、最も致命的な形態の疾患を持つ男性の転帰を改善したことを示した。
「研究室での最初の発見から前立腺がんに苦しむ男性の治療の改善に至るまで、15年以上もの仕事が実を結ぶのを見るのは非常にやりがいのあることである」と、de Bono氏は加えた。「われわれは現在、試験の最終分析を待ち望んでいる。 これらの初期データが示唆するように結果が良好な場合、BRCA突然変異を有する進行性前立腺がんの男性は、次の数年で化学療法による副作用のないタブレット、オラパリブの恩恵を受ける可能性がある」
(2019年8月8日公開)