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e-cancer: 新たな数学的モデルは脳腫瘍への放射線療法を改善する

30 Sep 2019

研究者らは、放射線療法を最適化し、治療中に死滅する腫瘍細胞数を大幅に増加させるための新たなモデルを開発した。

University of Waterlooの学生が率いる最近の研究で紹介された新しい数学的モデルでは、腫瘍細胞の大部分が位置する場所に関する情報を用いて、最も腫瘍細胞が高密度に集まる領域に放射線治療を照射することが可能である。

本研究はPLOS ONE誌に掲載されている。

現在、放射線療法を行う最適なスケジューリングと治療法について多くの検討がなされているが、腫瘍医が細胞密度に関する情報も使用し、脳腫瘍細胞密度が最も高い領域を照射した場合に効果的に腫瘍細胞を死滅させることができる可能性を研究者らは見出した。

「通常、腫瘍細胞は中央に高密度で集まり、中央から遠くなるにつれて少なくなるが、この事実は現在の放射線治療では完全には考慮されていない」とUniversity of Waterlooの応用数学科の博士候補であるCameron Meaney氏は述べた。

「腫瘍細胞密度に対してより良い理解があれば、より多くの細胞を死滅させる方法で治療を計画することができる」

脳腫瘍の放射線治療に対して空間的に最適化された数学的モデルを開発する際、患者が治療中に曝露する可能性がある総線量の上限を、研究者らは設定した。

その後、腫瘍を複数に分割した。一部分は細胞が最も密集した領域で、他は残りの細胞部分である。

場合によっては、各部分に照射される放射線線量を規定し、他の症例では最良の比率を決定することを可能にした。

「すべての場合において、必ずしも画分間で均等に放射線量を照射しなくてもよいことが判明した」とMeaney氏は述べた。

われわれのモデルが示しているのは、患者に照射できる総放射線量を半弱強度で広範囲の領域に照射するのではなく、腫瘍細胞が高密度の狭い範囲に高強度の照射を行うことである。

研究結果を受けて、研究者らは放射線の空間的最適化のために次の手順を提案した:腫瘍を2回画像化し、線量と治療スケジュールを決定し、放射線装置の物理的限界を確認し、数学的モデルを使用して最初の放射線割合を最適化する。

最終的に、最初の2つの画像から推定される成長モデルを使用して、画分間の腫瘍細胞の成長をシミュレートし、腫瘍医は各事例の放射線照射の前に、放射線ビームの形状を最適化するために入力し導き出された細胞密度プロファイルが使用可能となる。

(2019年9月5日公開)

https://ecancer.org/news/16566-new-mathematical-model-can-improve-radiation-therapy-of-brain-tumours.php

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