ニュース
30 Oct 2019
定量的RT-PCR検査による高レベルのcirc E7値は肛門扁平上皮がん(ASCC)の全生存率の改善を予測し、HPV陽性頭頸部がんおよび子宮頸がんのThe Cancer Genome Atlasシーケンシングの分析では、875人の被験者で高circ E7値が生存率の改善を示すことが示唆された。
本研究では、circ E7値はASCCの生存率改善と関連があると示唆されているが、circ E7がバイオマーカーとしての役割を持つか否かを確認するには、より大規模な前向き研究が必要である。
UT Southwestern Medical Center(テキサス州ダラス75390)皮膚科およびProPath Dermatopathology(テキサス州ダラス75247)のDr. Richard C. Wangは、「毎年世界で、新たに3万人が肛門扁平上皮がんと診断されており、発症率は年2%上昇している」と述べた。
切除不能な局所または転移性ASCCの最も効果的な治療法は、マイトマイシンCと5-フルオロウラシルまたはシスプラチンを併用した同時放射線療法(別名:Nigro Protocol)である。
外科的切除が採用される場合があるが、症例の30%は局所的な反応や再発はみられない。
頭頸部扁平上皮がんなど、HPVが関与するがんはGLUT1が過剰発現するが、HPVとGLUT1トランスポーターの関係がASCCで調査されたことはない。
ケラチノサイトからのASCCの発達とHPVの高い発症率があるため、ASCCおよびHPV感染の関連においてこのトランスポーターの発現を調査すべきである。
高リスクのヒトパピローマウイルス、特にHPV16は、ASCC症例の70〜90%に関与しており、腫瘍形成の主要な要因である。
著者らは、circ E7高値をASCCの肯定的な予後マーカー、および他のHPV駆動型がんの可能性を示唆すると特定した。
Wang Research Teamは、「HPVに起因するがんにおけるcirc E7の役割を分析するには、より大規模な前向き研究が推奨される」と結論した。
(2019年10月17日公開)
https://ecancer.org/en/news/16778-assessment-of-circularised-e7-rna-glut1-and-pd-l1-in-anal-squamous-cell-carcinoma