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22 Apr 2020
2018年、米国では約324,000人の男性ががんで死亡した。
肺がん、前立腺がん、および大腸がんは、死亡の半数に相当した。
これらの各がんのほとんどは、早期発見が出来れば予防または治療が可能である。
現在、Purdue Universityの研究者らは、前立腺など特定のがんの腫瘍増殖を阻止するのに役立つ可能性のある新たな治療法を開発した。これは男性で最も一般的な種類のがんである。
「われわれは免疫細胞を誘導してがんを殺傷し、腫瘍によって損傷した骨や組織を修復するのに役立つ治療法を設計した」と研究チームを率いるPurdue’s College獣医学部の基礎医学准教授であるMarxa Figueiredo氏は述べた。また、Purdue Research FoundationのTechnology Commercializationオフィスと協力して、この治療法の特許を取得している。
「この治療法の最高の特徴の1つは、腫瘍の増殖を阻害し、骨の修復を促進することで恩恵を受けることができる他の多くのがんや疾患の治療を可能にすることにおいて極めて有望なことである」
この治療法は、Molecular Therapy誌のMethods&Clinical Developmentに掲載されている。
Purdue Universityのチームは、腫瘍の増殖を抑制し、がん転移を阻止するのに役立つとされているインターロイキン27(IL-27)と呼ばれるタンパク質を使用した。IL-27はサイトカインであり、免疫系の細胞によって分泌される一種のタンパク質であり、化学伝達物質として作用し、免疫系ががんや他の疾患を標的とするのを助けることができる。
「免疫細胞は、IL-27などのタンパク質からの多くの信号で身体領域に自然に引き付けられる」とFigueiredo氏は述べている。
「つまり、IL-27を腫瘍または骨細胞を標的にするというわれわれの新たなアプローチでは、これらのタンパク質を使用して、がんや他の疾患のある身体領域に健康な細胞を運ぶ信号の生成が可能であり、腫瘍を殺傷し、骨や他の筋骨格組織を修復するプロセスを開始する」
Figueiredo氏は、新たなPurdue療法の技術が乳房や肺を含む多くの異なるタイプのがんを保有するヒトと動物、およびタンパク質ターゲティングが免疫系の反応を改善することができる他の病気に適用可能であると述べた。
https://ecancer.org/en/news/17631-cancer-scientists-aim-to-use-protein-power-to-stop-tumour-growth
(2020年4月8日公開)