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e-cancer:がん全般 タンパク質の継続的モニタリングは健康を悪化させた患者にとって画期的変革をもたらす

03 Feb 2021

モナッシュ大学とクイーンズランド大学の研究者らによる世界初の発見は、in vivoバイオセンサーでの「蛍光性」を利用し、心血管疾患やがんなどの慢性的な合併症に対して迅速かつより有効な治療法につながる可能性がある。

モナッシュ大学化学工学部およびARC Centre of Excellence in Convergent Bio-Nano Science and Technologyに所属するDr Simon Corrieが率いる研究チームは、EGFR(epidermal growth factor receptor:上皮成長因子受容体)タンパク質を結合する抗体を採取し、血清溶液中のEGFRタンパク質の濃度を経時的にモニタリングする目的で操作した。

ACS Sensors誌で発表されたこの論文の共著者は、クイーンズランド大学およびオーストラリア生物工学ナノテクノロジー研究所に所属するDr Christian Fercher、Dr Martina Jones、Professor Stephen Mahlerである。

ヒトのEGFRタンパク質の増殖の検出が不可能であることは、がんをはじめとする多くの腫瘍の発生やアルツハイマー病のような疾患の発症の進展と関連している可能性がある。

この研究チームが開発した蛍光染料を伴うある独立した検出メカニズムを使用し、研究者らは、蛍光スペクトルの検出可能な変化をモニタリングすることにより、リアルタイムにEGFRタンパク質の変化を「読み取る」ことができる有名な抗体からバイオセンサーを作成した。

体液中のタンパク質のバイオマーカー濃度をリアルタイムでモニタリングできることは、個別に設定された薬物モニタリングを必要とする患者や、敗血症のような極めて重大な病態、心臓発作、または治療に対する腫瘍反応から生じる合併症の高リスク患者など、急激な悪化のリスクがある患者の追跡において非常に貴重である。

これまで継続的な試験で抗体を操作できた人はいない。

コリー博士は次のように述べている。「通常使用されている診断検査は、いずれも特定の時点で何らかの(血液、尿、組織)サンプリングを伴い、それについて問い合わせるためにラボに持っていく必要がある。しかし、急性疾患患者の場合、診断を下して迅速な治療を行うまでの時間は非常に重要であり、従来の診断プロセスでは十分に適切であるとは言えない」

「経時的に増減するタンパク質レベルなど、タンパク質の動的な変化をモニタリングすることは、疾患または治療のプロセスに関してより詳細な情報を提供する可能性が高い。しかし、そのために必要なセンサーは糖尿病用の連続的なグルコース検査以外に存在しない」

「抗体を人為的に作ることができるということは、可逆的にターゲットと結合し、蛍光を利用して「読み取る」ことができるものであり、それはin vivoセンサーを人為的に開発できることを意味する。そのようなセンサーは、疾患または治療に対する反応において経時的に変化するため、単に検体をラボに送って1、2日以内にスナップショットを入手するよりも重要な意味を持つバイオマーカーのレベルをモニタリングできる」

「そのようなバイオマーカーには、がん細胞の表面タンパク質の量やサイズの縮小に薬剤が起因しているか否かといった情報も含まれるため、治療の効果を検証できる。一部の抗生物質のような潜在的に毒性のある薬剤の濃度のモニタリングにも利用できる」

この発見により、元の抗体配列の特異性を保持したまま、化学溶液中のタンパク質の被検体(scFv)と可逆的に結合することができる抗体フラグメントを操作することが可能となった。

このような取り組みを通して、数時間にわたる継続的なin vitroでのモニタリングの記録に成功するようになった。

「医療用途により適した染料を採用するための研究が現在進行中である。

今後このプロセスは、人体内で、生物薬剤学のプロセスによって、または環境において、継続的にタンパク質濃度をモニタリングできる多様なバイオセンサーを生成するために使用されるものと我々は期待している」とコリー博士は述べている。

https://ecancer.org/en/news/19509-continuous-monitoring-of-proteins-a-game-changer-for-patients-with-deteriorating-health

(2021年1月26日公開)

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