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e-cancer:がん全般 肥満とがん:その接点のさまざまな側面に重点を置く研究

01 Jun 2021

肥満例では、多くの要素からなる代謝性および炎症性の異常がそれぞれ無関係な場合と連動している場合があるが、肥満、がん、および人種や性別による健康格差の極めて重大な生物学的関連性はあると思われる。ただし、これらの因子間に特有のクロストークは依然として解明されていない。

肥満関連の炎症および併存疾患とがんの発生、進行、および介入との関係性を理解する上で驚くべき関連性があることから、肥満とがんとの接点のさまざまな側面に重点を置いた3つの新たな論文がObesity誌のオンライン版で発表されている。

Stanley S. Scott Cancer Centerの准教授で、ニューオーリンズのLSU Health Sciences Center の学際的腫瘍学部および遺伝学部に所属し、”Obesity-associated Myeloid Immunosuppressive Cells, Key Players in Cancer Risk and Response to Immunotherapy”(がんリスクの主役である肥満関連の骨髄様免疫抑制性細胞と免疫療法に対する反応)というタイトル論文の責任著者でもあるMaria D. Sanchez-Pino, MSc., PhDは、「我々がレビュー時に注目したのは、肥満およびがんの特徴である慢性炎症の主役として、免疫抑制剤の調整や骨髄性細胞の腫瘍形成を進行させる機能における肥満例の脂質、インスリン、レプチンのような代謝性の因子の変化である。

また、健康的な体重の維持はがんや肥満予防の基本原則であり、代謝性および炎症性の特定の表現型として依然として定義されている事情を踏まえると、これは抗がん免疫療法においてメリットがあるように見えるが、最近では臨床的にも科学的にも興味を惹きつける観察結果が発表されている」と述べている。

「肥満関連の代謝因子が骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)および免疫抑制性マクロファージの機能を活性化または強化する分子機序を解読することにより、予後および治療反応のバイオマーカーを特定することが可能になり、薬物療法の潜在的ターゲットを見い出し、おそらく肥満とがんの病態生理学的な炎症性の関連性を阻害することができるようになる」

Sanchez-Pino博士の論文の共著者には、ルイジアナ州バトンルージュにあるLouisiana State University(LSU)のPennington Biomedical Research Centerに所属し、LSU Health Science Center, Stanley S. Scott Cancer のメンバーでもあるJustin Brown氏も名を連ねている。School of Medicine in New Orleans およびLSU Health Sciences Center, Stanley S. Scott Cancer に所属するAugusto Ochoa氏とダラスのUniversity of Texas Southwestern Medical CenterのLinda Anne Gilmore氏も本レビューに寄与している。

Brown氏は「白人および黒人成人における肥満およびがんのリスク:前向きコホート研究」という自らの研究でも、肥満とがんリスクの予測の関連性において有意な差異は、人種と性別によって説明がつくと述べている。

白人およびアフリカ系アメリカ人の成人でがんを有する18,296名を対象とした前向きコホート研究では、BMIと胴囲は、黒人男性のがんリスクとの正の相関を示していなかった。

しかし、白人男性と白人女性および黒人女性においては、BMIと胴囲の値が高いほど、がんのリスクが高まっていた。

本研究の他の著者には、バトンルージュにあるLSU Pennington Biomedical Research Center のShengping Yang氏、Emily Mire氏、Peter Katzmarzyk氏、School of Public Health/Louisiana Tumor Registryの一員であるXiacheng Wu氏、School of Medicine, LSU in New OrleansのLucio Miele氏、Jovanny Zabaleta氏、Augusto Ochoa氏の名前が挙げられている。

また、Brown氏は、ラスべガスで開催されたObesityWeek 2019の期間中に”Hitting A Triple – Diabetes, Obesity, and the Emerging Links to Cancer Risk”(3倍の打撃-糖尿病、肥満、および新たに出現したがんリスクとの関連)と題したシンポジウムにも参加した。

このシンポジウムでは、専門家が最新の学術的な状況を論じ、特に糖尿病、肥満、がんの間の機械論的な関連との研究のギャップに注目した内容であった。

研究者と臨床医は、肥満と糖尿病の有病率が上昇し、悪性腫瘍のリスクが拡大するため、臨床面および公衆衛生面での介入が緊急に必要であるという点で意見が一致した。

研究者らは、肥満、糖尿病、およびがんとの連鎖を断ち切る方法を特定することが社会の健康と福祉の変革をもたらすとし、そのような発見は、公衆衛生や医療にとっての「グランドスラム」を意味すると説明した。

https://ecancer.org/en/news/20350-obesity-and-cancer-studies-highlight-different-aspects-of-the-connection

(2021年5月25日公開)

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