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09 Sep 2021
American Association for Cancer Research(AACR)の学会誌であるCancer Discovery誌に発表された研究結果によると、BNT162b2ワクチン(Comirnaty)の2回目の接種6ヵ月後、固形がん患者の血液中のSARS-CoV-2抗体価は、がんを有さない人の抗体価と同程度を維持していた。
Rambam Health Care Campus(イスラエル)の腫瘍学部門のdirectorであるIrit Ben-Aharon、MD、PhDが主導するこの研究は、固形がん患者におけるCOVID-19のワクチン接種後の長期血清学状態、安全性プロファイルおよび感染率を評価した。
Ben-Aharon氏らは、固形がんの積極的治療を受けている患者154名とBNT162b2ワクチンの2回目接種約6ヵ月後で年齢を一致させた対照群135名の血清学的力価を測定し、固形がん患者の2回目のワクチン接種後に測定した力価と比較した。
固形がん患者の79%が血清抗体陽性であり、対照群の84%に匹敵することが発見されたが、どちらの群も抗体価は6ヵ月間で劇的に低下した。血清抗体陰性の患者のうち、81%が化学療法を受けていた。
「我々の研究では、免疫原性、6ヵ月間の感染率、安全性を含むすべての結果において、固形がん患者は一般集団と同様の傾向を示したことが分かった」とBen-Aharon氏は述べている。
これらのデータは、National Comprehensive Cancer Network(NCCN)の最新のガイドラインを含め、さまざまな集団がある中でワクチンのブースター接種の優先順位に関する推奨事項を周知するのに有用である。
NCCNは、血液がん患者と造血幹細胞移植または細胞治療を受けた患者を優先し、続いて固形がん患者を優先するよう推奨している。