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20 Oct 2021
University of Arkansasの研究者らは、免疫療法受けたがんにおける複雑な生化学的変化を究明するための非侵襲的光学技術の最初の使用を明示 した。
「光学分光法が腫瘍の生体分子組成の初期変化を高感度で検出できることを示している」と、医用生体工学の准教授であるNarasimhan Rajaram氏は述べている。
「これは、これらの変化が免疫チェックポイント阻害剤による免疫療法への反応を予測するため重要である。 したがって、われわれの仕事は、ラマン分光法が治療の初期段階で治療反応者と非反応者を特定できるかどうかを判断するための最初のステップである」
免疫チェックポイントは、体の免疫応答が検出された脅威レベルに比例することを確かにするために免疫システムのブレーキとして機能する。免疫チェックポイント阻害剤は、これらのブレーキを効果的に取り除き、がん細胞に対する体の免疫システムを解き放つ。
American Association for Cancer ResearchのCancer Research誌に掲載されたこの研究では、ラマン分光法を使用して、現在、患者の臨床治療に使用されている2種類の免疫療法薬で治療したマウスの結腸がん腫瘍の分子組成を決定する方法について説明している。ラマン分光法は、光ファイバーを使用して近赤外レーザー光を生体組織に向ける。 組織から散乱されたラマン信号は、組織の分子組成にとくに敏感である。
この研究では、研究者らは機械学習アプローチを使用して、さまざまな免疫療法薬で治療を受けた結腸がん腫瘍から取得した数百のラマンデータセットをトレーニングした。次に、各腫瘍のデータをデータセット全体に対してテストし、さまざまな種類の免疫療法を受けた腫瘍と治療を受けなかった腫瘍の違いを判断した。
ラマン技術は、腫瘍の生体分子組成の初期変化の高感度検出と、さまざまな治療に対する腫瘍の反応の違いを示した。 非侵襲的ラマンプローブによって検出された変化は、詳細な組織分析によって記述された変化と一致していたことを研究者らは発見した。
他の形態のがん治療とは異なり、免疫療法は腫瘍サイズの即時かつ予測可能な縮小をもたらさず、現在、患者の治療反応を決定するための正確な方法はない。免疫療法の恩恵を受ける患者はごく少数であり、免疫療法の特定の組み合わせに関連する重篤な副作用がある。
https://ecancer.org/en/news/21101-new-technique-shows-early-biochemical-changes-in-tumours
(2021年10月15日公開)