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e-cancer:前立腺がん スタチンの使用が前立腺がん検診の結果に影響を与える

08 Dec 2021

コレステロール値を低下させるスタチン系薬剤を服用している男性と服用していない男性では、前立腺がんのスクリーニング結果が異なることが、フィンランドのTampere Universityで実施された研究で明らかになった。スタチン使用者では、スクリーニングを行っても、他の男性のように前立腺がんの発生率が増加することはなかった。

今回の研究では、スクリーニングによって過剰診断されがちな低リスクのがんで、最も明確な差が認められた。

スクリーニングで発見された低リスクの腫瘍の数は、スタチン使用者で有意に少なかった。しかし、高リスクのがんの検出については、スタチン使用による差はなかった。スクリーニング群では、スタチンを服用している男性でも、それ以外の男性でも、前立腺がんの死亡率は、スクリーニングを受けていない群よりもわずかに低かった。

Tampere University医学部・健康技術学部のTeemu Murtola教授は、「スタチン使用は非常に一般的であり、前立腺がん検診の効果はスタチン使用との関連ではこれまで評価されていなかったため、本研究は重要な新しい情報を提供する」と述べている。

この研究は、権威あるJAMA Oncology誌に掲載された。
この研究結果は、スタチンの使用が前立腺がん検診の精度を向上させるという事実によって説明できる可能性がある。つまり、検診では、これらの男性でも他の男性と同様に危険なタイプのがんが発見されるが、スタチン使用者では、いわゆる過剰診断(成長速度が非常に遅いために健康上の脅威とならない低リスクの前立腺がんが発見されること)が少なくなる。

別の可能性として考えられるのは、スタチン系薬剤を使用する男性は、すでに積極的に医療サービスを利用しており、系統的スクリーニング以外でPSA検査を受けたことがある選択された集団であるということである。このような場合には、試験で実施された追加スクリーニングはそれほど大きな影響を及ぼさない。

この研究は、1996~1999年に開始されたFinnish Prostate Cancer Screening Trial試験のデータに基づいている。

合計約8万人の男性が対象となり、そのうち約3万2千人弱が4年ごとにPSA検査によるスクリーニングを受けた。このプロジェクトは、Tampere University、University of Helsinki、Helsinki University HospitalとTampere University Hospitalが共同で実施した。

https://ecancer.org/en/news/21318-statin-use-affects-prostate-cancer-screening-results

(2021年11月30日公開)

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