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01 Mar 2022
新しい年になり、健康増進を図りたいと考えている人も多いだろう。そのための方法のひとつが、メラノーマ発症の潜在的なリスク要因を理解することによって、メラノーマの罹患リスクを減らすことである。
Dermatologic Surgery誌に掲載されたMayo Clinicの最新の研究では、将来的なメラノーマ発症の可能性を高める行動の抑制に関して、リスク認知が与える影響が検討された。その結果、皮膚がんリスクに関する知識を持つことで、日焼けベッドの使用などの危険な行動に影響を与える可能性があることが示唆された。
Mayo Clinicの皮膚科医で主任研究員のJerry Brewer医学博士は、「40年前に比べ、メラノーマを発症する若年・中年女性の数が大幅に増加していることが分かっている」と述べた。「この研究により、皮膚癌のリスクが高い人は、自分のリスクを正確に評価していただけでなく、今後1年以内に日焼けベッドを使用する可能性が低いことが実証された」
研究者らはRochester Epidemiology Projectのデータを用いて、Olmsted County Healthy Skin Studyを行った。この研究では、皮膚がんのリスクについて知識がある人を対象に、日焼けベッドの使用がどのような役割を果たしているかが調査された。
その結果、次のような知見が得られた。
・調査対象者の多くは女性で、日焼けベッドの使用歴があった。
・日焼けベッドの使用歴がある人は、日焼けベッドを使用していない人に比べて、自分の皮膚がんリスクが高いと見なしていた。
・研究参加者は、自分の皮膚がんリスクについて適切な知識を持っていた。
「現在、メラノーマは増加の一途をたどっている。また、日焼けベッドがメラノーマの発症に大きな影響を与えることも分かっている。今回の研究で、皮膚がんについて正確な認識を持ち、皮膚がん発症のリスクが高いことを認識している場合は、今後1年以内に日焼けベッドを使用する可能性が低いことが分かった。これは喜ばしいことである」とBrewer博士は述べた。
今後さらなる研究が必要ではあるが、がんの発症リスクを理解することが日焼けベッドの使用に関する行動変容と関連していることを、本研究結果は示唆している。
「今後さらなる研究を行うことで、皮膚がんリスク、リスク認知、皮膚がん発症に関わる行動変容を正確に予測するものは何かなどの疑問点が明らかになるだろう」とBrewer博士は述べた。
https://ecancer.org/en/news/21532-knowing-your-risk-for-skin-cancer-may-limit-unhealthy-behaviours