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30 May 2022
がん関連疲労(CRF)は、がん患者に最も多くみられる症状であり、有効な治療法は限られている。疲労は患者に身体的、精神的に、また家族関係にも大きな影響を与える可能性があり、患者ががん治療を受けること自体に影響を及ぼすことさえある。
CRFの治療薬を検討する臨床試験ではプラセボと比較して改善がみられないことが多く、プラセボ効果が治療成績に影響を与えている可能性が示唆されている。
Sriram Yennu博士らは、CRFに対する非盲検プラセボ治療の可能性を検討するために、進行がんでCRFと診断された患者に対するプラセボ治療を評価する第II/III相臨床試験を行った。患者90人が、治療に関するメッセージを添えたプラセボを投与されるか、待機者リストに登録する対照群かのいずれかに無作為に割り付けられた。
研究の結果、非盲検プラセボ治療により、いくつかの確立された疲労尺度で測定されたCRFが有意に減少し、これらの疲労の改善は研究期間の4週間にわたって維持されることが証明された。
本結果はこの治療法を評価するためのさらなる研究の必要性を示唆している。
なお、Yennu氏は6月6日に研究結果の詳細を発表する予定である。
(2022年5月27日公開)