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20 Jul 2022
免疫チェックポイント阻害(ICB)療法は、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)を含む多くの種類のがんの治療において有望な可能性を示している。
高リスクの口腔がん患者を対象に、手術前に免疫療法を実施した臨床試験では、ほとんどの患者が数年後も無病状態を維持しており、標準治療で期待される成績よりも良好な結果が得られている。
Brigham and Women’s Hospitalの研究者らは、臨床試験のユニークなデザインを利用して、これらの患者の血液と組織のサンプルを免疫療法の前後に調査し、免疫細胞の特定の集団、特にresident memory T細胞(TRM)という種類のT細胞が、免疫療法のわずか数週間の治療で拡大することを発見した。
これらのresponding T-cell集団は、腫瘍と循環血液の両方で見られ、腫瘍の治療や再発防止に役立つ可能性がある。
「治療前から血液中に存在する特定の免疫細胞集団は、数週間後の手術時に腫瘍の大部分あるいは全てが死滅していることが確認され、どの患者が最もよく反応するかを強く予測した」と、放射線腫瘍科の共同上席著者Jonathan D. Schoenfeld医師は述べた。
「これらのバイオマーカーは、将来、転帰をさらに改善するための試験で患者を選択するのに役立つ可能性がある」
(2022年7月12日公開)