トップ > ニュース

ニュース

e-cancer:脳腫瘍 機械学習による脳腫瘍の進行予測

23 Jan 2023

University of Waterlooの研究者らは、致命的な脳腫瘍の成長をより正確に予測する計算モデルを作成した。

多形性膠芽腫(GBM)は、平均生存期間がわずか1年の脳腫瘍である。

中核部が非常に緻密で、成長が早く、脳の中にあるため、治療が困難である。

これらの腫瘍の拡散率や増殖率を推定することは臨床医にとって有用であるが、その情報を個々の患者に対して迅速かつ正確に予測することは困難である。

University of WaterlooとUniversity of Torontoの研究者らは、トロントのSt Michael’s Hospitalと提携し、複数のGBM患者のMRIデータを分析した。

機械学習を使って患者の腫瘍を完全に分析し、がんの進行をより正確に予測しようとしている。

研究者らは、匿名のGBM患者5名から採取した2組のMRIを分析した。

患者らは広範囲にわたってMRIを受け、数か月待った後、2回目のMRIを受けた。

これらの患者は、理由は明らかにされていないが、その間、治療や介入を受けないことを選択したため、彼らのMRIは、放置した場合のGBMの成長過程を理解するユニークな機会を提供した。

研究者らは、ディープラーニングモデルを用いて、MRIデータを患者固有のパラメータ推定値に変換し、GBM増殖の予測モデルに反映させた。

この技術を、本質がわかっている患者と人工の腫瘍に適用し、モデルの検証を行った。

応用数学の博士課程に在籍し、本研究の主席研究員であるCameron Meaney氏は、「われわれは、この分析を巨大なデータセットで行いたいと考えていた」と述べた。「しかし、病気の性質上、余命が長くなく、治療を開始する傾向があるため、それは非常に困難である。そのため、未治療の腫瘍5つを比較する機会は非常に珍しく、貴重なものだった」

研究者らは、未治療のGBMがどのように成長するかの優れたモデルを手に入れた今、次のステップは、腫瘍に対する治療効果を含めるためにモデルを拡張することである。

そうすると、データセットが一握りのMRIから数千枚に増えることになる。

Meaney氏は、MRIデータへのアクセス、数学者と臨床医の連携が、今後患者に大きな影響を与える可能性があることを強調している。

「定量的な分析を医療に取り入れることは未来のことである」と,、Meaney氏は述べた。

この研究はJournal of Theoretical Biology誌に掲載された。

https://ecancer.org/en/news/22567-using-machine-learning-to-predict-brain-tumour-progression

(2023年1月16日公開)

CROI2024 速報
HIV感染症治療教育プログラム
EACS2023 速報
IAS2023 速報
Practice Updates~HIV感染症治療戦略~
HIVクイズ
ecancer
国際学会カレンダー