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18 Jul 2023
Sanford Burnham Prebysの研究者らが主導した研究によると、若い女性では、ある種の遺伝子変異が治療抵抗性乳がんと関連していることが判明した。
これらの突然変異は、高齢女性における治療抵抗性乳癌がんとは関連していない。
Science Advances誌に発表されたこの研究結果は、精密医療を向上させ、乳がんを分類するまったく新しい方法を示唆するものである。
「年をとるとがんになりやすいことはよく知られている。しかし、人の遺伝子構造によっては、すべてのがんに当てはまるとは限らないことがわかってきた」と、Sanford Burnham Prebysの助教授である筆頭著者Svasti Haricharan博士は言う。「若い人と高齢者では、がんを引き起こすメカニズムが全く異なる可能性がある」
この研究は、主にER+/HER2乳がんに焦点を当てたもので、この乳がんは最も一般的な乳がんのひとつである。
通常はホルモン療法で治療するが、患者によってはこれらの治療が効かないこともある。腫瘍の約20％は最初から治療に抵抗し、最大40％は時間の経過とともに抵抗性を示す。
「ある種の乳がんが、最終的に治療抵抗性を示すようになるメカニズムを理解することは、乳がんをより適切に分類するのに役立つ。また、臨床医が標準治療に対して抵抗性を示す可能性の高い患者の治療計画を調整するのにも役立つ」と、Haricharan氏は言う。「私のような科学者にとって、これらの障害を克服する新しい治療法を開発するための研究の指針になる」
この研究では、乳がん患者の大規模データベースの広範な分析が行われた。
その結果、ER+/HER2乳がん患者において、特定の遺伝子変異が治療効果と強い相関があり、その効果は年齢に依存していることが明らかになった。
いくつかの遺伝子変異は、若い女性においてのみ治療抵抗性乳がんと関連していた。
「これは奇妙な発見で、最初はほとんど信じられなかった」と、Haricharan氏は述べる。「しかし、同じパターンが次から次へとデータベースに何度も現れた」
研究者らが同定した変異は、細胞が成長し分裂するプロセスである細胞複製に関与する遺伝子にあった。これらの遺伝子は、事実上すべてのがんで異常が発生するプロセスで、ミスを修復する役割を担っている。
「細胞周期の調節不全はがんの発生初期に起こるため、細胞周期の調節不全を引き起こす個々の突然変異が、がんの治療に対する最終的な反応性や転移能力に影響を及ぼすかどうかについては、一般的に考慮されていない」と、Haricharan氏は述べる。
がんの引き金となる特定のタイプの細胞周期異常と、診断から何年も経った後の転帰とを結びつけることで、研究チームはあらゆる種類のがんについて考え、研究するためのまったく新しいパラダイムを提案している。
「これは、われわれのがんに対する見方を根本的に変えるもので、乳がんだけにとどまらない可能性がある」と、Haricharan氏は付け加える。
この考えを検証するために、研究者らは他のがん種における細胞周期の突然変異が患者の転帰に及ぼす影響を分析した。最終的に、多くのがん種において、細胞周期異常の様式は女性のがんでは重要だが、男性のがんではそれほど重要ではないことがわかった。
このことは、細胞周期異常の影響が、年齢だけでなく性別にも依存する可能性を示唆している。
「これらの発見は、がんを患者の生活史の中で研究することが重要である理由を強調する」と、Haricharan氏は付け加える。
「がん研究は、シャーレ内の細胞だけに焦点が当てられ、これらの細胞が形質転換し増殖する複雑な宿主システム全体は忘れられていることがあまりにも多い」
（2023年7月3日公開）
