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14 Dec 2023
米国におけるレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル(LGB)の思春期および若年成人がん生存者は、がん罹患歴のある異性愛者やがん罹患歴のないLGBの同世代よりも、慢性的な健康障害を経験していると報告する傾向にある。
この調査結果は、Wiley社がAmerican Cancer SocietyのCANCER誌オンライン版に発表した調査によるものである。
これまでの研究では、少数派の性的指向と性自認の集団は、異性愛者の集団よりも心臓病、脳卒中、高血圧、糖尿病、肺疾患、腎臓病などの多くの慢性疾患の罹患率が高いことが示されている。
マイノリティの性的指向を有する思春期・若年成人がん生存者における慢性的健康障害の負担を評価すること、University of Texas MD Anderson Cancer CenterのMichael E. Roth医学博士が率いる研究チームは、全米各地で対面または電話による調査が行われたNational Health Interview Surveyの2013年から2020年のデータを分析した。
研究チームの解析は、LGBがん生存者170名(15~39歳の間に診断された)の情報が含まれ、がん罹患歴のないLGB1,700名および異性愛者のがん生存者1,700名と照合した。
LGBがん生存者は、がん罹患歴のないLGBおよび異性愛者のがん生存者よりも、少なくとも1つの慢性健康障害(それぞれ71.0%、51.0%、59.0%)および2つ以上の慢性健康障害(それぞれ21.0%、7.7%、15.1%)を報告する傾向があった。
このようなリスクの上昇は、心血管疾患、関節炎、肺疾患などの症状で見られた。
社会人口統計学的変数で調整した結果、LGBがん生存者は、がん罹患歴のないLGBの人よりも慢性的な健康障害にある確率が2.45倍高く、異性愛者の生存者よりも2.16倍高かった。
「この研究は、LGBがん生存者コミュニティに影響を及ぼす重大な健康格差を浮き彫りにし、がん治療中および治療後の慢性的健康問題のリスクの高まりに対処するために、がん治療中および治療後のこれらの人々に対する専門的なケアと配慮の必要性を指摘している」と、Roth博士は述べた。「このことが、セクシュアルマイノリティやジェンダーマイノリティの人々にとって、より公平な医療につながることが期待される」
(2023年12月5日公開)