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11 Jan 2024
Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging (EANM) は、FES PET を使用した乳がん患者のエストロゲン受容体イメージングに関する新しい治療基準・診療ガイドラインを発行した。
この基準・ガイドラインは、乳がん患者に対する18F-FES PET検査の推奨、実施、解釈、結果報告において医師を支援することを目的としており、The Journal of Nuclear Medicine誌に先行掲載された。
世界では、毎年200万人以上の女性が乳がんと診断されている。エストロゲン受容体 (ER) は乳がんの形成と進行における重要な寄与因子であり、治療の重要な標的である。
乳がんの約70%はERを発現しており、組織解析によるER発現の判定は、新たに乳がんと診断された患者に対する標準治療の一部となっている。
フランスと米国で臨床使用が承認されている18F-FES PETは、腫瘍のER発現を評価し、ER標的治療に対する反応を予測し、ER発現がん患者における不明確な病期分類や再病期分類の結果を明確にする上で有利であることが、複数の研究から示唆されている。
また、浸潤性小葉乳がんや低悪性度の ER 発現浸潤性乳管がんの病期分類にも役立つ可能性があり、場合によっては生検の代替となる可能性もある。
診療ガイドライン・治療基準には、一般的な臨床適応、治療の詳細、患者の選択と準備、トレーサー投与と画像化、その解釈と報告に関する情報が含まれる。
また、18F-FES PETの標準化された品質管理、品質保証、撮像法の手順も示されている。
「患者の臨床管理と多施設臨床試験における18F-FESの使用には、精度、正確性、反復性、再現性が重要である」と、著者らは強調する。「標準化された撮像法利用可能になれば、18F-FES PETの適切な使用が促進され、その後の研究が促進されるだろう」
SNMMI・EANMは、核医学という科学を発展させ、患者に効果的で安全な医療を提供するために、定期的に核医学診療の新しい基準・ガイドラインを定めている。
SNMMI・EANMの方針声明に相当する各標準・ガイドラインは、徹底的な合意プロセスを経て広範なレビューが行われる。
(2024年1月8日公開)