ニュース
14 May 2024
Ann & Robert H. Lurie Children’s Hospital of Chicagoは、肺転移を切除する手術時に新規蛍光剤CYTALUXを小児科で初めて使用したことを発表した。
この薬剤により、外科医は肺のがんをよりよく視覚化できるだけでなく、術前の画像検査で見逃がされた別のがんの結節を検出できる可能性がある。
この薬剤は成人患者に対してFDAに承認されているが、小児におけるこの薬剤の安全性と実現可能性を研究するために、Lurie Children’sはFDAに治験薬申請を行った初の小児科である。
「われわれは、手術中に肺のがんを照らし出し、他の方法では見逃していた可能性のある結節を発見して除去するのに役立つ、この新しい技術を提供する最初の小児病院になることを嬉しく思う」と、Lurie Children’sの腫瘍外科部長であり、Northwestern University Feinberg School of Medicineの外科准教授でもあるTim Lautz医師は述べた。
「小児の肺がんは稀だが、固形腫瘍の約20%に肺転移がみられる。肺結節を切除する最も一般的な疾患は骨肉腫と軟部肉腫であり、時には肝臓や腎臓の腫瘍を持つ小児にもこの手術が必要になることがある」
CYTALUXは、手術前に標準的な静脈注射で投与され、肺がん細胞に存在する葉酸受容体と結合し、特殊な赤外線カメラを使用すると手術中に発光する色素を含んでいる。
「肺の手術中、小さながんの結節や肺の表面下にあるがんの結節は、必ずしも肉眼で見えるわけでなない」と、Lurie Children’sで初めてこの手術を受けた患者を共同治療した、Division of Pediatric Surgery’s Surgical Simulation ProgramのDirector であるSeth Goldstein医師は述べた。
「CYTALUXを使用することで、われわれは肺のがんをすべて除去できることをより確信した。
今では子供たちも、手術道具箱の中にあるこの有望な新しい道具の恩恵を受けることができる」
CYTALUXは、インディアナ州West Lafayetteに拠点を置く株式非公開のバイオテクノロジー企業であるOn Target Laboratoriesによって製造された。
(2024年5月1日公開)