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05 Jun 2024
大細胞型B細胞リンパ腫患者に対して承認されたCAR-T細胞療法が、再発・治療抵抗性の中枢神経系(CNS)リンパ腫患者を対象としたパイロット試験で良好な結果を示したとDana-Farberの研究者らが報告した。
研究チームは、2024年5月31日~6月4日までシカゴで開催されたAmerican Society of Clinical Oncology (ASCO)で研究成果を発表した。
この治療薬axicabtagene ciloleucelは、試験参加者18名において安全で忍容性が高いことが確認され、全奏効率は94%であった。
無増悪生存期間(がんが悪化せずに生存した期間)の中央値は14.3ヵ月、全生存期間の中央値は26.4ヵ月であった。
最も一般的な副作用であるサイトカイン放出症候群と免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は、CAR-T細胞療法にしばしば関連する炎症症状であるが、管理可能であった。
中枢神経系リンパ腫は、脳または脊髄のリンパ組織に悪性細胞ができる稀な非ホジキンリンパ腫である。
初期治療は有効であることが多いが、再発した場合はより良い治療が必要となる。
CAR-T細胞療法は、患者自身の免疫系T細胞を遺伝子組み換えしたものを用いて、体内のがん細胞を攻撃する。
(2024年6月2日公開)