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11 Jun 2024
Mass General Brigham healthcare systemの創設メンバーであるMass General Cancer Centerの研究者らが主導した新たな研究は、進行肺がん患者に緩和ケアを提供するためのよりスケーラブルな方法の有効性を明らかにした。
この研究結果は、American Society of Clinical Oncologyの年次総会で発表され、JAMA誌に掲載された。
Mass General Cancer CenterのJennifer S. Temel医学博士が主導したこの研究では、段階的緩和ケアの有効性を評価した。このケアでは、すべての患者がその病状に応じた緩和ケアを受けるが、専門的訓練を受けた臨床医との接触は最小限に抑えられる。
より集中的な治療は、それほど集中的でない治療で十分な効果が得られない場合にのみ行われる。
この無作為化試験には、早期からの標準的緩和ケアまたは段階的緩和ケアを受けた進行肺がん患者507名が組み入れられた。
複数の研究により、進行がんと診断された時点からがん治療と統合された早期の緩和ケアは、患者と介護者の転帰を改善することが示されている。
しかし、このケアモデルは、主に2つの理由から広く実施されていない。全国的な緩和ケア臨床医の不足と、特に新たな治療薬により生存期間が延長するにつれ、がん治療の全過程において緩和ケアの訪問診療を実施することが難しいためである。
本研究の研究者らは、段階的緩和ケアは、患者のがんの経過において重要な時点でのみ行い、QOLの低下をきっかけに訪問回数を増やすことで、患者のQOLを損なうことなく緩和ケアの訪問回数を減らすことができることを明らかにした。
Cancer Outcomes Research and Education Programの共同責任者で、Massachusetts General Hospitalの胸部腫瘍科で臨床責任者を務めるTemel氏は、「われわれの知る限り、これは患者が報告したQOLに基づいて、より集中的な緩和ケアサービスを開始することで、患者のニーズに合わせた緩和ケア戦略の非劣性を、資源集約的な早期の緩和ケアと比較して証明した初めての無作為化試験である」と述べた。