トップ > ニュース

ニュース

e-cancer:がん全般 研究により、各国のがん治療における世界的格差が明らかに

26 Nov 2024

最近の分析によると、世界のさまざまな地域で抗がん剤の費用と入手可能性に著しい格差があり、高所得国と低所得国の間にも大きな格差があることが明らかになった。

この研究結果は、American Cancer Societyの学術誌CANCER誌オンライン版(Willy社刊)で発表された。

がんやがん治療の可用性に関する発表された関連研究やレビューを基にしたこの分析では、2040年だけで、世界中で推定2,840万名が新たにがんを発症すると予測されている。

今後数年間、がんの発生率は低所得国で最も顕著に増加すると予想されている。
がん死亡率も低所得国では増加しているが、先進国では横ばいである。

研究によると、治療へのアクセスの不平等、適切なスクリーニングの欠如、持続的な発がん性リスク要因、不十分な医療インフラが、高所得国と比較して低所得国で観察されるがん発生率とがん関連死亡率が高い主な要因となっている。

また、がんやその最適な治療法に関する臨床医の現在の理解は、おもに高所得国で実施された研究に基づいており、その住民は中・低所得国の人々とは異なる可能性がある。

研究により、世界中で最適ながん治療を行う上で経済が大きな課題となる可能性があることが明らかになっている。

免疫療法薬などの新しい抗がん剤は、標準的な化学療法よりも年間数千ドル高くなる可能性がある。

また、低所得国は、国内総生産のうちがん医療に費やす額が高所得国よりも少ないにもかかわらず、同じ必須抗がん剤に対してより多くの費用を支払わなければならないことが多い。

「がんの発症率と死亡率は世界的に上昇しており、低・中所得国の人々に不釣り合いなほど大きな影響を与えると予想されている。残念ながら、低・中所得国では費用が高額なため、新しいがん治療法へのアクセスははるかに制限されている」と、レバノンのAmerican University of Beirut Medical Centreの上席著者Fadlo R. Khuri氏は述べた。

「本論文では、データを分析し、質の高いジェネリック医薬品やバイオシミラーの使用、国民皆保険制度や国際医療資金の導入など、こうした格差の拡大を緩和するための解決策をいくつか提案する」

 

https://ecancer.org/en/news/25706-study-reveals-significant-global-disparities-in-cancer-care-across-different-countries

(2024年11月19日公開)

CROI2024 速報
HIV感染症治療教育プログラム
EACS2023 速報
IAS2023 速報
Practice Updates~HIV感染症治療戦略~
HIVクイズ
ecancer
国際学会カレンダー