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13 Dec 2024
Roswell Park Comprehensive Cancer Centerの研究者らは、第66回American Society of Hematology (ASH) Annual Meetingでの講演で、多発性骨髄腫患者に対するレジスタンストレーニングの有意な有益性を示す、説得力のある研究結果を発表した。
本研究は、Jens Hillengass博士(MD,PhD)と、Janine Joseph氏(MS,MBA)が主導し、ターゲットを絞った運動療法が疲労を軽減し、睡眠を改善し、痛みを軽減することを実証する新たなエビデンスを提示し、がん治療におけるQOL向上に新たな希望をもたらしている。
研究チームは6カ月間の研究で、80名の患者を3つの運動群(対面の監督下でのレジスタンストレーニング、バーチャルの監督下でのレジスタンストレーニング、監督なしの在宅ウォーキング)で評価した。
最も顕著な改善は、レジスタンストレーニング群、特に対面で参加した群において、疲労、痛み、そして睡眠で見られた。
しかし、介入後もこのような利益を維持することは依然として課題であり、持続可能なライフスタイルの変化を促進する戦略の必要性を強調している。
「我々の研究結果は、骨疾患の患者であっても、レジスタンストレーニングが疲労や痛みなどの症状を軽減することを示している」と、Roswell Parkの骨髄腫/アミロイドーシスのチーフで、この新たな研究の主任著者であるHillengass博士は述べている。
「我々の研究は、多発性骨髄腫患者にとって身体活動はリスクが大きすぎるという誤解に挑むものであり、これらの研究結果ががん治療へのより総体的なアプローチへの道を拓くことを期待している」
この最新の研究は、Hillengass博士のチームによる以前の研究に基づいており、多発性骨髄腫患者の身体活動が安全であるだけでなく、免疫の健康と身体機能を改善できることを実証した。
この研究結果は、個別化された監督下での運動療法をがん治療に統合することで得られる利益の確固たるエビデンスを提供するとともに、患者のQOLの長期的な改善を維持するための継続的な研究の必要性を強調している。
「身体活動は患者のエンパワーメントを重要な方法でサポートする。監督下プログラムを通じて、患者が健康と幸福をよりコントロールすることを強化し、測定可能な改善が見られた」と、Roswell Park Department of Cancer Prevention & Controlの研究者であるJoseph氏は付け加えている。彼は口頭発表でこれらの研究結果を発表する予定である。
この研究は、患者やクリニックのスタッフの献身的な協力、そしてRoswell Park Alliance Foundationからの支援により実現した。
(2024年12月9日公開)