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31 Mar 2025
がんの最大10%は、市販の検査で容易に検出できる遺伝子によって引き起こされる。
乳がん、卵巣がん、大腸がん、胃がん、子宮がん、膵臓がんなどの一般的ながんが含まれる。
「プライマリ・ケアの現場では、がん感受性遺伝子のスクリーニングを日常的に行っていない。なぜなら、遺伝子検査は複雑すぎると考えられがちであり、プライマリ・ケア医はすでに多くのことに対処しなければならないためである」と、UW Medicineの婦人科腫瘍医である筆頭著者Elizabeth Swisher医師は述べた。
「しかし、それは機会損失である」
本日発表されたJAMA Network Open 誌の研究では、Swisher氏と同僚らは、プライマリ・ケア診療が患者の遺伝性がんのリスクを評価し、リスクが高いと確認された患者に検査を提供する2つの方法を評価した。
がんの家族歴がある患者は、これらの遺伝子を有するリスクが最も高い。
このような患者は検査に最適な集団であるにも関わらず、がんが発症する前に、リスクを発見できる可能性が最も高い日常的なプライマリ・ケアの一環として、スクリーニングが行われることはほとんどないとSwisher氏は述べた。
本研究では、患者が来院した際、あるいはオンライン診療の前に、プライマリ・ケア医の受診前に質問票に記入してもらう方法が取られた。
これはポイント・オブ・ケア・アプローチと呼ばれた。
2つ目の方法は、患者に自宅からオンラインで質問票に記入するよう、一連の手紙や電子メールを送信するというものであった。
これは、患者参加型医療(direct patient engagement approach)と呼ばれた。
この質問票では、患者自身のがんの病歴に加え、一親等の親族(両親、兄弟姉妹、子)、二親等の親族(祖父母、叔父叔母、甥姪)のがんの病歴について質問した。
この質問票では乳がん、前立腺がん、大腸がん、膵臓がんを含む複数のがんの遺伝的リスクと関連するアシュケナージ系ユダヤ人の祖先など、関連する民族情報についても質問した。
評価が完了し、がん感受性遺伝子を有する可能性が示唆された患者には、遺伝子29個をスクリーニングする検査が提供された。
唾液サンプル検査は無料で提供され、自宅で実施することが可能であった。
がんリスク遺伝子変異が発見された全ての患者に遺伝カウンセリングが行われた。
「検査結果が陽性となるまでプライマリ・ケア医を介さず、その後、各患者の治療計画を医師に提供するのが目標であった」とSwisher氏は述べた。
本研究は、2つの異なる医療システムが運営する12のプライマリ・ケア診療所で実施された。
6件はワシントン州でMultiCareが運営し、6件はMontana州とWyoming州でBillings Clinicが運営していた。
MultiCare Clinicsは、主に都市部の民族・人種が混在する住民を対象としている。
Billings Clinicは、主に地方の白人の住民を対象としている。
各クリニックはいずれかの方法を採用するよう無作為に割り付けられた。
研究期間中、12の診療所で患者95,623名が診察を受けた。
このうち、18,030名は診療所で受診時に依頼し、41,558名には電子メールや手紙を送付した。
研究者らは、診療所全体の患者集団と比較して、ポイント・オブ・ケア・アプローチでは、リスク評価を完了した患者の割合(19.1%)が、direct patient engagement群の患者(8.7%)よりも高かったことを発見した。
しかし、評価の結果、検査適性が示された患者のうち、検査を受けた割合はdirect patient engagement群の方が高く44.7%であったのに対し、ポイント・オブ・ケア群では24.7%であった。
Swisher氏は、direct engagement群の対象者は、すでに遺伝に関する家族歴について懸念を抱いていた可能性があると推測した。
この群では対象となった患者数は少なかったが、検査を受けた患者は、ポイント・オブ・ケア群の患者(3.8%)よりも陽性反応を示す確率が高かった(6.6%)。
「どちらの戦略にもある程度の有用性があった」とSwisher氏は結論づけた。
「しかし、検査の受診率を向上させ、検査プロセスにおける障壁をさらに減らす方法を開発する必要がある」
https://ecancer.org/en/news/26127-effort-seeks-to-increase-cancer-gene-testing-in-primary-care
(2025年3月11日公開)