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08 Jul 2025
髄膜の腫瘍は、これまで知られていたよりも高齢の女性に多い。
University of Gothenburgの研究では、70歳の女性の2.7%がこのような腫瘍を有していた。
研究者らは、このような調査結果は、注意深く慎重に扱うべきだと強調している。
研究者らは、脳組織自体の外側にある髄膜に発生する腫瘍である髄膜腫を調査した。
無作為に選ばれた70歳の792名のうち、1.8%に髄膜腫が見つかった。
女性では2.7%だった。
この研究は、University of Gothenburgの神経科学者であり、Sahlgrenska University Hospitalの放射線科医であるErik Thurin氏によって始められた。
「高齢者の髄膜腫の場合、他の病気を調べる際のMRI検査により偶然見つかることがある。これらは多くの場合、良性で、ほとんどの場合全く問題を起こさず、成長も非常に遅い。悪性のものもあるが、非常に稀である」と、Erik Thurin氏は述べる。
高齢女性に影響
髄膜腫は、年齢を重ねるにつれてますます多くなる腫瘍の一種である。髄膜腫は女性にもかなり多く発生することが、Acta Neurochirurgica誌に掲載されたこの研究によって確認された。
「髄膜腫はおもに高齢女性に発症する。女性では、腫瘍リスクは2.7%で、男性の5倍である」と、Erik Thurin氏は述べる。
この研究は、Ingmar Skoog教授の研究チームとともに実施され、無作為に選ばれた70歳の人々に脳MRIを含む検査を勧めた大規模なH70集団研究に基づいている。
「他の国々では高齢者に髄膜腫が多数発見されているという兆候があったので、スウェーデンの70歳の人々にも同様の症例があるかどうかを調べたいと考えた」と、Erik Thurin氏は説明する。
注意深さと常識
髄膜腫患者のほとんどは、手術で腫瘍を摘出すれば完治する。
しかし、腫瘍があまり急速に大きくならない限り、手術は回避できることが多い。
この場合、定期的なMRI検査で腫瘍が大きくなっていないことを確認すれば十分である。
良性のようであれば、直ちに対処する必要はない。
「腫瘍が小さい場合は、過剰反応しないことが重要である。以前、髄膜腫患者の術後経過を研究したことがあるが、手術が不幸な結果をもたらすケースもあることがわかった」と、Erik Thurin氏は述べ、こう続けた:「一つの落とし穴は、例えば、めまいで受診後、より深刻な原因を除外するためのMRI検査など、別の問題を調査している時に腫瘍が見つかった場合である。小さな腫瘍が偶然発見された場合、それが元々の問題と誤って関連付けられる可能性があり、患者が不必要な手術を受けるリスクを負うことになる。もちろん、手術が必要な場合もある。患者は必ず医師と十分に相談すべきである」
この研究は、高齢者の脳における偶発的な発見をいかに最善に管理するかという重要な疑問を提起している。
現在、研究者らは、この結果が髄膜腫に関する、より微妙な見解に貢献することを期待している。
「われわれは、注意深さと不必要な心配の間でバランスを取る必要がある。高齢者のケアは、科学と常識の両方に基づいて行う必要がある」と、Erik Thurin氏は述べる。
https://ecancer.org/en/news/26659-many-older-women-may-have-undetected-brain-tumours
(2025年6月30日公開)