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22 Sep 2025
多施設共同無作為化第III相試験により、限局型小細胞肺がん(LS-SCLC)患者において、同時化学放射線療法下の3週間の寡分割照射(HypoRT)スケジュールが、標準的な6週間の通常分割照射(ConvRT)スケジュールと同等の生存転帰を示し、かつ毒性は低いことが明らかになった。
この結果は、9月8日に International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) 2025 World Conference on Lung Cancer (WCLC) で発表された。
肺がん治療における寡分割放射線治療では、通常分割放射線治療スケジュールと比べて、1回あたりの線量を高く設定し、照射回数(分割回数)を少なくして実施する。
中国の16病院で実施されたこの研究では、患者530人を3週間で15回(1日1回)の45 Gyの寡分割照射(HypoRT)群、または6週間で30回(1日1回)の60 Gyの通常分割照射(ConvRT)群のいずれかに無作為に割り付けた。いずれの群も、シスプラチンまたはカルボプラチンにエトポシドを組み合わせた化学療法を同時併用した。
追跡期間中央値43.4ヵ月時点で、全生存期間(OS)の中央値はHypoRT群で40.2ヵ月、ConvRT群で47.9ヵ月であった(HR=1.04、95%信頼区間[CI]:0.81–1.33)。
無増悪生存期間(PFS)も両群で同様であった。
HypoRTを受けた患者では、重篤な治療関連有害事象が有意に少なく、血液毒性、リンパ球減少症、放射線肺臓炎の発生率も低かった。
グレード3以上の急性期有害事象の発現率は、HypoRT群で48.7%、ConvRT群で67.7%であった。
「今回の結果は、寡分割照射が、従来の通常分割放射線治療と同等の生存転帰を維持しつつ、有害事象を減らし、より短期間で利便性の高い治療コースを提供できる可能性があることを示唆している」と、Nan Bi, M.D(The National Cancer Centre of China/Cancer Hospital, Chinese Academy of Medical Sciences, Beijing)は述べた。
「この方法は、特に治療時間の短縮や毒性の低減が優先される状況において、患者にとって重要な選択肢となり得る」
研究者らは、免疫機能温存効果の可能性を踏まえ、HypoRTと免疫療法の併用を検討するさらなる研究が必要であると指摘している。
(2025年9月8日公開)