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25 Sep 2025
第III相CheckMate 77T試験の解析により、切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)患者(ステージIII N2病変患者を含む)において、周術期ニボルマブ投与が健康関連QOL(HRQoL)を損なわないことが確認された。
これらの結果は、International Association for the Study of Lung Cancer 2025 World Conference on Lung Cancer(WCLC)で発表された。
本研究では、NSCLC-Symptom Assessment Questionnaire(NSCLC-SAQ)やEQ-5D-3L visual analogue scale(VAS)などの患者報告アウトカム(PRO)尺度を用いて、リンパ節転移状態および手術成績に基づくHRQoLを評価した。
患者は術前ニボルマブ+化学療法、またはプラセボ+化学療法のいずれかを受け、その後、手術と術後補助療法を受けた。
「治療中および治療後の生活の質を維持することは長期的な成功に不可欠であり、これらの結果は周術期ニボルマブが生存と患者の幸福感の両方をサポートすることを示している」と、McGill University Health CentreのJonathan Spicer氏は述べた。
また、術前および術後を除き、リンパ節転移状態群全体でPRO達成率が90%を超えており、治療全段階を通じてHR QoLがおおむね維持されたと報告された。
さらに、Spicer氏は、ステージIII N2非小細胞肺がん患者において、ニボルマブはプラセボと比較してHR QoL悪化リスクを低下させたと述べた。NSCLC-SAQ:HR = 0.50(95% CI:0.28–0.88)、EQ-5D-3L VAS: HR = 0.47(95% CI: 0.27–0.82)であった。
「これらの利点は、単葉切除術または全摘出術を受けた患者にも及んだ」と、Spicer氏は述べた。
Spicer氏は、分析結果は、周術期ニボルマブ療法が早期切除可能非小細胞肺がん、とくに高リスクN2病変患者において、無増悪生存期間を延長するだけでなく、患者の生活の質を保護する治療法としての役割を裏付けると述べた。
(2025年9月7日公開)