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22 Oct 2025
ESMO 2025で発表された試験結果により、免疫療法後に疾患進行を認めた腎がんの一種である転移性明細胞腎細胞がん(ccRCC)患者において、標的療法の併用療法が転帰を改善したことが示された。
本日、Andrew W. Hahn, M.D. により、LenCabo第II相試験(要旨番号:LBA94)のデータが発表された。
無作為化試験において、免疫療法後に疾患進行を認めた患者で、レンバチニブとエベロリムスの併用療法を受けた患者は、カボザンチニブを投与された患者と比較して、無増悪生存期間がより長かったことが明らかになった。
「これは、これら2つの一般的に使用されている二次治療を直接比較した初の無作為化試験である」とHahn氏は述べた。
「これらの結果は、治療の順序付けに関する新たな知見を提供するとともに、臨床判断の指針となる直接比較データの重要性を示している」とHahn氏は述べた。
この試験には、転移性または進行性の明細胞腎細胞がん(ccRCC)あるいは腎細胞がん(RCC)患者90例が登録され、これらの患者はいずれも、PD-1またはPD-L1を標的とする免疫療法を少なくとも1レジメン含む、1回または2回の治療を事前に受けていた。
レンバチニブとエベロリムスの併用療法を受けた患者では、62.5%が疾患進行を認めたのに対し、カボザンチニブを投与された患者では76%であった。
レンバチニブとエベロリムスの併用療法を受けた患者の無増悪生存期間(PFS)中央値は15.7ヵ月であり、カボザンチニブを投与された患者では10.2ヵ月であった。
転移性明細胞腎細胞がん(ccRCC)患者に対する現在の一次治療は、免疫チェックポイント阻害薬を主体とし、場合によっては標的療法と併用される。
これらの治療に対する反応が得られなくなった場合、次の治療選択肢としては、レンバチニブとエベロリムスの併用療法、またはカボザンチニブが挙げられる。
本試験は、二次治療の比較有効性を評価し、より長い無増悪生存期間(PFS)および患者の転帰改善をもたらすレジメンを特定することを目的としてデザインされた。
この結果は、レンバチニブとエベロリムスの併用療法が、二次治療としてより有意義なベネフィットをもたらす可能性があり、治療選択肢を必要とする患者に対する今後の治療選択の指針となる可能性を示唆している。
(2025年10月18日公開)