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19 Jan 2026
新たな第Ⅲ相試験の結果から、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陽性の転移性胃食道腺がん(mGEA)患者において、zanidatamab と化学療法の併用療法は、チスレリズマブ の併用の有無にかかわらず、腫瘍増殖を抑制し、生存期間の延長に寄与する可能性があることが示された。本研究成果は、2026年1月8~10日に米国サンフランシスコで開催されたASCO Gastrointestinal Cancers Symposium 2026において発表された。
HERIZON-GEA-01試験には、転移性または局所進行切除不能の胃食道腺がん(GEA)患者914例が組み入れられた。対象患者はいずれも、試験登録時点でがんに対する治療を受けていなかった。
参加者は、以下の3つの治療群のいずれかに無作為に割り付けられた:
追跡期間中央値26ヵ月時点において、無増悪生存期間(PFS)の中央値は、zanidatamabと化学療法(チスレリズマブ併用の有無を問わず)を投与された患者群で12.4ヵ月であったのに対し、トラスツズマブ投与群では8.1ヵ月であった。
全体として、zanidatamabは、がんの進行または死亡リスクを約35%低下させた。
治療開始18ヵ月時点において、がんの進行が認められなかった割合は、zanidatamab、チスレリズマブおよび化学療法を併用した群で約44%、zanidatamabと化学療法を併用した群で38%であった。一方、トラスツズマブ投与群では約21%であった。
全生存期間(OS)の中央値は、zanidatamab、チスレリズマブおよび化学療法を併用した患者群において26.4ヵ月であった。
Zanidatamabと化学療法を併用した患者群におけるOSデータは、本解析時点では統計学的有意差を示さなかったものの、OS延長の傾向が認められた。
Zanidatamab、チスレリズマブおよび化学療法を併用した群では、約72%の患者においてグレード3以上の有害事象が認められたのに対し、他の2群では約59%であった。
治療中止に至った割合は、zanidatamab、チスレリズマブおよび化学療法を併用した群で約12%、zanidatamabと化学療法を併用した群で8.5%であったのに対し、トラスツズマブ投与群では2.3%であった。
Zanidatamabを含む治療群において最も多く認められた重篤な有害事象は、下痢、カリウム欠乏(低カリウム血症)および赤血球減少(貧血)であった。一方、トラスツズマブ投与群では、下痢、貧血、白血球減少および血小板数減少が主に認められた。下痢はzanidatamabにおいて既知の副作用であることから、これらの治療群の患者には、下痢の軽減または予防を目的とした薬剤が投与された。
「近年、新規治療法が導入されてきたものの、転移性胃食道腺がん患者の予後は依然として限定的である。本試験は、HER2陽性の一次治療において、併用療法の一部としてトラスツズマブと比較し、新規HER2標的治療が有効性を示した初の第Ⅲ相試験である」と、カナダ・トロントのPrincess Margaret Cancer Centreに所属する主任研究者のElena Elimova, MDは述べている。
「最近の進歩にもかかわらず、転移性胃食道腺がん患者の多くは、治療開始から1年以内に疾患進行を経験している。今回の結果は診療を変え得るものであり、HER2陽性上部消化管がん患者に対する新たな治療選択肢を提示するものである」と、消化器がん領域におけるASCOエキスパートであり、University of Arizona Cancer CenterのAssociate Director of Clinical Investigations、ならびにGastrointestinal Clinical Research Teamの共同リーダーを務めるRachna Shroff, MD, MS, FASCOは述べている。
研究者らは、zanidatamabと化学療法の併用療法について、2026年半ばにOSに関する追加の中間解析を実施する予定である。Zanidatamabはまた、HER2を発現する複数の固形腫瘍を対象として、さまざまな治療レジメンにおける検討が進められている。
(2026年1月7日公開)