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27 Jan 2026
第III相COMMIT臨床試験の結果、ミスマッチ修復機能欠損(dMMR)またはマイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有する転移性大腸がん(mCRC)患者において、化学療法およびベバシズマブ+アテゾリズマブとの併用により、無増悪生存期間(PFS)がアテゾリズマブ単剤の5か月強から、2年以上に有意に延長することが示された。
本研究は、1月8~10日にサンフランシスコで開催される2026 American Society of Clinical Oncology (ASCO) Gastrointestinal Cancers Symposiumで発表される予定である。
「免疫チェックポイント阻害薬は、dMMRまたはMSI-Hを有するmCRCの一次治療として化学療法に対する優越性を示してきたが、KEYNOTE-177試験の結果では、29.4%の患者が病勢進行を経験しており、12か月時点の無増悪生存率は55.3%にとどまった。これらの知見は、PD-1/PD-L1単剤療法の有効性を改善する戦略の必要性を強調している」と、Atrium Health Wake Forest Baptist Medical Center(ノースカロライナ州ウィンストン・セーラム)のCaio Max Sao Pedro Rocha Lima医師(M.D., M.S.)は述べている。
試験の概要
COMMIT試験は、dMMRまたはMSI-Hを有するmCRCの初回治療において、化学療法とPD-L1免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブとの併用によって、アテゾリズマブ単剤よりも良好な転帰をもたらすかを評価した。
2017年11月~2025年3月までに、未治療のdMMRまたはMSI-Hを有するmCRC患者102名が本試験に登録された。参加者の年齢中央値は62歳であり、ほぼ半数(48%)が女性であった。
患者は以下の3つの治療群のいずれかに無作為に割り付けられた。
主な知見
本解析では、最初の2つの治療群のデータを比較した。追跡期間中央値3.5年時点で、以下の結果が得られた:
化学療法およびベバシズマブ+アテゾリズマブとの併用により、アテゾリズマブ単剤と比較して、腫瘍の増殖または進展が有意に長期間抑制された。
併用群におけるPFS中央値(腫瘍が増殖または進展するまでの期間)は24.5か月であったのに対し、アテゾリズマブ単剤群では5か月強であった。
全奏効率(ORR、治療に反応して腫瘍が縮小した患者の割合)も併用群で高かった。
併用群のORRは86.1%であったのに対し、アテゾリズマブ単剤群では46%であった。
治療開始1年後の病勢コントロール率(DCR、治療により腫瘍が縮小または安定した割合)も併用群で高かった。
併用群のDCRは64.7%であったのに対し、アテゾリズマブ単剤群では32.4%であった。
併用療法では副作用が増加した。
併用群では患者34名がgrade 3以上の有害事象を経験したのに対し、アテゾリズマブ単剤群では18名であった。
また、grade 5の有害事象を経験した患者数も併用群の方が多く、アテゾリズマブ単剤群の1名に対し、併用群では4名であった。
ASCOの見解
「化学療法、免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブ、および標的治療薬ベバシズマブの併用は、dMMRまたはMSI-Hを有する転移性大腸がんの一次治療におけるゲームチェンジャーとなる可能性がある。本試験における全奏効率、病勢コントロール率、無増悪生存期間中央値は、アテゾリズマブ単剤と比較して有望であり、この併用療法を患者に対する新たな治療選択肢として確立する可能性を示している」と、ASCO Expertであり、インド・カルナータカ州Lead Oncosciences およびバンガロールApollo HospitalsのSenior ConsultantとAcademic Advisorを務めるVishwanath Sathyanarayanan医学博士は述べた。
今後の展望
研究者らは、化学療法およびベバシズマブ+アテゾリズマブとの併用から最も恩恵を得る可能性が高い患者集団を特定するため、相関バイオマーカー解析を行う予定である。
これらの研究では、腫瘍および免疫微小環境の特徴、循環バイオマーカー、ならびに効果と抵抗性の分子相関について評価する。
目標は、患者選択を改善し、将来の前向き臨床試験デザインに役立てることである。
(2026年1月6日公開)