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06 Jan 2015
チロシンキナーゼ阻害剤(TKIs= tyrosine kinase inhibitors)として知られる標的療法の出現は、特定の白血病患者の予後を改善した。
慢性骨髄性白血病などのある種の疾患や急性リンパ性白血病を有する一部の患者におけるチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の成果にもかかわらず、これまで、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)は急性骨髄性白血病(AML= acute myeloid leukaemia)における有益な結果をまだ実証していなかった。
急性骨髄性白血病(AML)の動因である多様な遺伝子変異の洞察は、最近腎がん・肝がんの適用に承認を得た、急性骨髄性白血病(AML)増殖の動因である多種の突然変異酵素の活性化をブロックする、経口チロシン・キナーゼのソラフェニブの研究をリードしてきた。
標準化学療法との併用によるソラフェニブの安全性と有効性をより明確化するために、研究者らは第II相試験にて18-60歳の急性骨髄性白血病(AML)患者267名を対象とし、標準プロトコルにソラフェニブ(134例)またはプラセボ(133例)投与を追加してランダム化比較試験を行った。
フォローアップ3年後、ソラフェニブ治療患者群はイベントフリー生存期間が中央値20.5ヶ月、無再発生存率は3年間で56%であった。
比較すると、プラセボ投与患者群はイベントフリー生存期間が中央値9.2ヶ月、無再発生存率は3年間で38%であった。
治療の組み合わせ療法は、概して忍容性が良好であった。しかしながら、ソラフェニブ治療患者群には、発熱や出血などの特定の症状が高頻度で現れた。
プラセボ投与患者群と比較した場合、ソラフェニブ群における全生存率には及ばなかった。
「ソラフェニブ投与の急性骨髄性白血病(AML)患者において見られる陽性で永続的な奏効は、この白血病の種におけるチロシンキナーゼ阻害剤の臨床的な有益性を判断するための、最初のランダム化比較試験におけるエビデンスとして示された」と、当研究の筆頭著者であるドイツのUniversity Hospital Dresden、Christoph Röllig氏が述べた。
「大規模な試験におけるこれらの有望な結果の検証に加え、その可能性を最大化するために、この治療法に対して一部の患者により有用であるかもしれない遺伝子マーカーをさらに評価するのは有用であろう」
Press conferenceとinterviewはこちら。
http://ecancer.org/news/6735
(2014年12月7日公開)