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ecancer : 小児 : 小児脳腫瘍の再発に対する科学者らの綿密な計画

14 Jan 2015

研究者らが、小児脳腫瘍である髄芽腫が再発した際に生じるユニークな遺伝経路を発見したと、Cancer Cell誌*1にて発表された。

Cancer Research UK、Action Medical Researchそして他の機関*2の資金提供による研究から、有効な治療法がない場合、再発における特別な腫瘍サンプルを取得することで遺伝子欠損を対象とした既存薬で治療可能かもしれない一部の患者らを識別することができることが示された。

Newcastle UniversityとThe Institute of Cancer Research (ICR)の科学者らは、患者29名の再発した腫瘍の生検を行った。

その疾患が再発し、がんのさらなる進行の原因になった場合のみ、変異を見出せることがわかった。

この疾患進行の主な原因である、2つの遺伝子欠損のうち特定な組み合わせの1つは、多くの異なったサブタイプ内でも一般的であった。

その後、研究者らは、マウスにおいて再発した髄芽腫の治療方法を探究し、欠損の1つを対象とした実験的な薬剤で腫瘍の成長を遅らせることを可能にした。

当研究の共同主任であるNewcastle University のSteve Clifford氏は、「この研究は、再発した髄芽腫をまったく新しい方法で理解し治療することが必要であることを示した。あたらしい生検により、疾患が再発した際に、医師がより良い最も適切な治療を行うことが必要であることは明らかである」と述べた。

髄芽腫における小児の生存率は60-70%だが、再発した際の生存率は5%以下である。

ロンドンのThe Institute of Cancer Research、小児科固形腫瘍生物学と治療学のLouis Chesler氏は、「われわれは、この研究にて、再発した髄芽腫を有する小児にとって現在可能な標的薬の有益性が示されたことを大変嬉しく思う。患者らが最も必要とする標的薬の使用につながる」と述べた。

「各個人に有益なパーソナライズされた治療のために、子どもたちの再発疾患が進行するや否や、医師は腫瘍サンプルを取得する必要がある。腫瘍生検は現在、このような状況下でも定期的に行われていないが、治療が最も必要な子どもたちへの最善の治療法が見つかる前に、この状況は変わるべきである」

Cancer Research UKのチーフ臨床医、Peter Johnson氏は、「われわれは、再発した髄芽腫において有効な新たな治療法が緊急に必要である。使用可能な有用な選択肢が少なすぎる。われわれは、がんの進行と変異について常に調査している。短期的であるが、この試みにより医師が一時的に適切な治療の選択肢を選ぶことができる。しかしながら、将来的にはこの研究がより良い治療方法につながることが重要である」と述べた。

参考:
*1. Hill, R.M. et al Combined MYC and TP53 defects emerge at medulloblastoma relapse and define rapidly progressive, therapeutically targetable disease, Cancer Cell
*2. The study was also funded by Sparks, The Brain Tumour Charity, the JGW Patterson Foundation and Christopher’s Smile. The study was part of the INSTINCT network co-funded by the Brain Tumour Charity, Great Ormond Street Hospital Children’s Charity and Children with Cancer

http://ecancer.org/news/6795
(2014年12月23日公開)

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