トップ > ニュース

ニュース

ecancer : 全般 : 科学者らが、がん細胞の複雑さを描写するアバターを使用した新しいソフトウェアを開発

02 Feb 2015

ロンドン、Institute of Cancer Researchの科学者らが開発したPhenoPlotと呼ばれるプログラムは、ロボット式マイクロスコープ(robotic microscope)により収集された撮像データに基づいて、がん細胞である「アバタ―」を生成する。

これらのアバターは、グラフやチャートよりも直観的に細胞形状の一貫性のなさを表す「テクスチャ」そして「ラフリング」などの、9つの重要な細胞特性を同時に示す。

PhenoPlotのようなシステムにより、臨床医が患者のがん細胞のイメージを基に、より速く正確な診断を行うことができるかもしれない。

CCTVが何百万人もの動向の追跡を可能とするのと同様に、自動マイクロスコープは、研究者らが遺伝学的スクリーニングまたは化学的スクリーニングを行うように、数百万もの細胞を迅速に撮像することを可能とする。

ロボット式マイクロスコープはまた、組織内のがん細胞を同定するために臨床の場で使用されるが、自動マイクロスコープにより生成されたデータセットは何百ものさまざまな細胞イメージを含んでいることが多いため、人間の目で細胞間の相違を見つけるのは困難である。

コンピュータはこれらのイメージをすぐに分析できるが、コンピュータが生成した大規模で複雑なデータセットを科学者らがスプレッドシートや棒グラフ、ヒートマップなどの従来の方法で読み取るのは困難である。

研究者らは現在、PhenoPlotでこれらの大規模なデータセットを非常に迅速に分析することができる。

PhenoPlot設計者で筆頭著者のHeba Sailem氏による予備試験により、ソフトウエアがどのように18のさまざまな乳がん細胞における細胞形状の違いを表すために使用されるかが示された。

ICR、Dynamical Cell Systems laboratoryのSailem氏とチームの研究者らは、PhenoPlotを使用して、進行性がんと非進行性がんの表現型のまたは観察可能な細胞形状の違いを表す。

PhenoPlotを使用することで、研究者は最も進行性転移性が高い種のがんがわかるようになった

この研究はNature Communications誌にて発表され、BBSRCとCancer Research UKより資金供給が行われた。

ソフトウェアをダウンロードするにはこちらをクリック。

ロンドンのInstitute of Cancer Research、Dynamical Cell Systems Teamの主任で研究主任であるChris Bakal氏は次のように述べた。

「視覚教材には真のパワーがある。Florence Nightingaleはクリミア戦争で病院の改善のためQueen Victoriaを説得するために、時間と死亡率の統計グラフを使った。しかしながら、われわれにはがん細胞のユニークな特徴を視覚化し、数値化するしっかりした方法がない」

「ここで、われわれは、コンパクトかつ直観的な方法で大量のデータから抽出されたがん細胞における複数の重要な特性を視覚的に示すアバタ―を使用するソフトウエアを開発した」

「腫瘍生物学は患者によって異なるため、これらの主な違いを読み取る適切なツールは、医師が個々の治療を調整できるようにする上で重要である。PhenoPlotは細胞イメージングデータの解釈とヒトのバイアス除去に役立つだろう」

「PhenoPlotのもう一つの魅力はイメージを解釈するための広範な生物学的専門知識が必要ないことである。誰もがPhenoPlotを使用できる。最後に、私はPhenoPlotのアバタ―により、がん細胞に関する複雑なデータセットを非科学者が簡単に理解できると思う」

http://ecancer.org/news/6795
(2015年1月9日公開)

CROI2024 速報
HIV感染症治療教育プログラム
EACS2023 速報
IAS2023 速報
Practice Updates~HIV感染症治療戦略~
HIVクイズ
ecancer
国際学会カレンダー