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02 Feb 2015
パートナーが前向きな健康習慣を実行するようになった場合に、ヒトは健康習慣への取り組みを成功させる傾向があると、JAMA Internal Medicine誌*にて発表があった。
Cancer Research UK、British Heart Foundation、National Institute on Agingより資金供給を受けているUCLの科学者らは、パートナーの健康習慣実行内容に関連してヒトがどれだけ禁煙できるか、活動的になるか、減量できるかを考察した。
彼らは、パートナーが健康習慣を実行するようになった場合、悪習慣から良習慣への転換に成功することがわかった。
たとえば、喫煙女性の50%はそのパートナーが禁煙を始めるのと同時に禁煙を開始する。それに対して、17%はパートナーがすでに禁煙である場合、8%はパートナーが常用喫煙者である場合、である。
当研究より、男性は、自らのパートナーが禁煙し、活動的になり、減量すると、自分も影響を受けて同様の生活習慣を行うことがわかった。
この調査は、結婚や同居、そしてEnglish Longitudinal Study of Ageing (ELSA)に参加した50歳以上の高齢者カップル3,722組を対象とした。
UCL (University College London)、Cancer Research UK’s Health Behaviour Research Centreのディレクターであり、共著者の1人であるJane Wardle氏は、「不健康なライフスタイルは、慢性病による世界的な主な死因である。主なライフスタイルリスクは、禁煙、肥満、運動不足、粗末な食生活、アルコール摂取である。悪習慣から良習慣への転換により、がんを含めた疾患リスクの低下を可能にする」と述べた。
UCLで研究筆頭著者であるSarah Jackson氏は、「今、禁煙、運動または減量という新年の目標を決めた。それらをパートナーと実行することで、成功の可能性が高まる」と述べた。
Cancer Research UK 、health information のヘッドであるJulie Sharp氏は、「ライフスタイルを変更することで、われわれの健康とがんリスクに大きな変化をもたらす。また、この研究は、カップルが一緒に行うことでさらに成功する傾向があることを示す」と述べた。
「環境によるサポートを受けると、良好な生活習慣を得る傾向がある。たとえば、あなたが減量したいと考え、友達や仕事の同僚が同じことを行っている場合、ランチタイムや仕事の後、お互い励まし合いながら走ったり泳いだりすることができる。また、禁煙サービスなどの地域支援は、禁煙するのに大変効果的である」
「禁煙、健康体重の維持、そして活動的になることで健康を維持することは、がんのリスクの低下につながり、より多くの人々がお互いに助け合い励まし合うことができる」
参考: *Jackson et al., The influence of partner’s behaviour on health behaviour change in the English Longitudinal Study of Ageing: For better or for worse. JAMA Internal Medicine.
http://ecancer.org/news/6892
(2015年1月22日公開)