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ecancer : 全般 : 銅分子によるがん拡散の防止

18 Mar 2015

Bielefeld Universityの化学者が、DNAと特異的に結合してがんの拡散を防ぐ銅を含有する分子を開発した。

最初の結果より、化学療法でよく投与されている抗がん剤、シスプラチンよりも迅速にがん細胞を死滅させることが示された。

抗がん剤を開発する際に、ドイツ、Bielefeld Universityの、筆頭著者Thorsten Glaser氏とそのチームは、生化学者や物理学者と共に協働した。新薬剤の設計は基礎研究を有する。「どのように銅複合体が実際がん患者に投与されるか、また果たして投与を行うのかについては、今後医学研究において決定する必要がある」

1970年代の末から、医師らはがんを治療するシスプラチンを使用している。その薬剤は肺がんと精巣がんの治癒を促進する。しかし、それはすべてのがんには効かない。

シスプラチンはまた、吐き気、嘔吐、下痢を引き起こす抗がん剤の一つである。

「われわれは、異なる作用の、副作用がより少なく他のがんも治療する代替薬の開発をしたかった」と、Glaserは述べる。「早期治療にその薬剤を使用することで、シスプラチンを使用せずにがんを治療する薬剤を望んでいた」

Glaser氏とそのチームは自然界にはみられない新しい分子を生成する化学のメソッドを使用し、特定の性質を備えた分子が生成された。

シスプラチンは、がん細胞のDNAを攻撃する。DNAは、核酸塩基、リン酸塩、ならびに糖から構成されている。シスプラチンは、核酸塩基と結合するのに対し、研究者らが開発した新しい分子は、DNA内のリン酸塩を攻撃する。

「その分子中に、リン酸塩と優先的に結合する2つの銅金属イオンを組み込むことで、このような作用が可能となった」

できるだけ早くそのイオンがリン酸塩と結合することで、がん細胞のDNAは変化する。これは、細胞プロセスを中断し、細胞の再生を阻止し、病的細胞の破壊につながる。

「1つの鍵が1つの特定の受け口のみで作用するのと同じように、この分子はリン酸塩のみと結合し、リン酸塩を阻止する」と、Glaser氏は述べる。

馬蹄の先の突出部分のように、2つの銅金属イオンがこの分子から突き出る。馬蹄の2つの突出部分間は、DNA内のリン酸塩間の関係性に相当し、それらはドッキングし、完全な結合を形成する。

「2つのリン酸塩が同時に結合するので、結合強度が大きくなり、高い有効性を示す」

Bielefeld Universityの科学者らは、新たな分子を精製するための方法を開発した。彼らは、銅剤がDNAと結合し、DNAを変化させることが可能であることを証明した。そして、はたしてこの薬剤がDNAすなわち細胞の拡散を阻止するか、どのように阻止するかを研究した。

細胞内のゲノムの複製は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と同様に進行する。研究者らは、この銅複合体が連鎖反応を停止することを確認した。

最後に、科学者らはがん細胞にこの薬剤を応用した。その薬剤をがん細胞の細胞培養へ投与したのである。結果は、「銅複合物がシスプラチンよりも有効であった」と、Glaser氏は述べる。

「銅複合物では濃度10マイクロモルで死亡したがん細胞に対して、シスプラチンを使用すると20マイクロモルを必要とする」

http://ecancer.org/news/7062 
(2015年3月13日公開)

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