ニュース
21 Dec 2015
骨壊死は、関節の骨内の血流減少によって引き起こされる疾患で、急性リンパ性白血病(ALL)の、特に10〜20歳の小児患者における化学療法の重大な副作用である。
以前の研究では、10歳以上の患者に焦点が当てられていたが、ASH2015でSeth Karol氏より発表されたこの研究では、骨壊死の遺伝的危険因子が小児によって異なるか否かの評価が行われた。
研究者らは、最初の発見群である骨壊死患者82名と骨壊死発症なしの患者287名を含めた小児1,186名に対して、骨疾患患者内で最も頻度が高い遺伝的変異体を同定するために、ゲノムワイド関連解析を実施した。
骨壊死患者が、骨の発達にとって重要な遺伝子(BMP7)の近くに遺伝的変異体を有する可能性は8〜15倍であり、血液の脂肪レベルにとって重要な遺伝子(PROX1)の近くに遺伝的変異体を有する可能性は3〜6倍であることについて、研究者らは観察をした。
調査結果より、これらの遺伝子は10歳未満の小児の骨壊死リスクの増加と関連することが示唆される。
この研究により、骨壊死に関する理解が向上し、今後のより良い治療につながるであろう。
Seth Karol氏へのpress conferenceとvideo interviewはこちら。
http://ecancer.org/news/8285
(2015年12月5日公開)