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25 May 2016
1型糖尿病がある種のバクテリアによって引き起こされる可能性があると、英国のCardiff Universityの研究者らによって発表された。
School of Medicine at Cardiffの研究の共著者であるDavid Cole氏とチームは、バクテリアが、どのように”killer T cells”—健康な細胞を防御する代わりに、それらを攻撃する白血球—を活性化し、1型糖尿病を引き起こしながら、インスリン産生細胞を破壊させるかを明らかにした。
研究者らは、The Journal of Clinical Investigation誌にその結果を発表した。
1型糖尿病は全糖尿病の5%を占める。すでに若年性糖尿病として知られ、小児と若年層で診断されるのが最も一般的である。
1型糖尿病は、体がインスリン-血糖値を正常化することに関与しているホルモンを産生できないときに起こる。
“Killer T cells”は高い交差反応性がある
1型糖尿病の明確な原因は不明瞭であるが、過去の研究では、“killer T cells”がベータ細胞-インスリンを産生する膵臓内のホルモン-を破壊するときに起きる状態であることが示された。
以前のある研究で、Sewell氏とそのチームは“killer T cells”の中に高い交差反応性を見出した。つまりそれは病原体を含む多数の要因に反応できることを意味する。
「キラーT細胞は、病原菌を細かく調べながら、高感度な指先のように作動する細胞表面受容体を利用しながら、それらの環境を感知する」とCole氏は述べる。
しかしながら、ときどきこれらのセンサーが間違ったターゲットを感知し、キラーT細胞が我々自身の組織を攻撃する。我々と他の人たちは、これがキラーT細胞がベータ細胞を標的にし、破壊するときに、1型糖尿病の間中起きることを示してきた。
一旦これらのベータ細胞が破壊されると、インスリンはもはや産生されない、それは患者が血糖値をコントロールするために生涯インスリン治療を必要とすることを意味する。
キラーT細胞がどのように「ならず者」に変わるかを明らかにする
彼らの研究では、研究者らはバクテリアがベータ細胞を攻撃するためにキラーT細胞を刺激する可能性がある原因の発見後に、1型糖尿病の可能性のある原因を明らかにしたことを示唆した。
研究者らは、キラーT細胞にベータ細胞に結合して殺させながら、キラーT細胞を活性化するバクテリアの一部を同定した。
「この結果は、1型糖尿病の発症を引き起こしながら、キラーT細胞がどのように「ならず者」に代わるかに新しい光明をもたらす」とCole氏は指摘する。
研究者らは、これらの結果が、1型糖尿病の診断、予防、治療のための新しい戦略に道を開くことを期待すると述べる。
「我々は、1型糖尿病の決定的な原因 について多くを学ばねばならない。そして登場する他の遺伝的、環境的要素があることを知っている。この研究は、それがベータ細胞を破壊する能力を持つT細胞をもたらす外的要素を初めて指摘し、有意義である」とCole氏は述べる。
1型糖尿病の発症の原因は何かを理解する一助となるのと同様に、研究者らは、これらの結果が他の自己免疫疾患の原因にも光明をもたらす可能性があると述べた。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/310332.php
(2016年5月17日公開)