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MNT : 循環器 : スタチンは、ある患者にとって心イベントのリスクを下げるが、他の患者にとってはリスクを下げない

04 Jul 2016

コレステロール降下薬スタチンは、既存の虚血性心疾患患者には大心イベントのリスク低下に関係があるが、そうでない患者では関係がないという研究結果が、JAMA Internal Medicine.誌に発表された。

スタチンによる長期治療は、安定虚血性心疾患患者に推奨される。なぜなら、心血管イベントの再発のリスクが増大するからである。しかし、低比重リポタンパクコレステロール値(LDL-C)の適切な数値の定義に関しては、ガイドラインによって違いがある。
米国心臓協会(AHA)のガイドラインでは、LDL-C値の目標を定義していない。しかしながら、欧州心臓学学会は、LDL-C値を70 mg/dL未満にするために用量設定することを推奨している。
テルアビブのClalit Research Institute のMorton Leibowitz氏と共著者らは、少なくとも1年間のスタチン治療後のLDL-C値に従って、主要有害心イベントのリスクを比較した。
研究では、低LDL-C値を70 mg/dL未満または70 mg/dL、中等レベルを70.1から100 mg/dL、高値を100.1から130 mg/dLとした。主要有害心イベントは、心臓発作、不安定狭心症、脳卒中、バイパス手術、または死亡を含めた。

本研究では、スタチン治療を遵守した少なくとも80%の虚血性心疾患患者31,619名を含んでいる。9,086名(29%)が低LDL-Cで、16,782名(53%) が中等LDL-Cで、 5,751名 (18%) が高LDL-Cであった。 1.6年間の追跡調査の間に、主要有害心イベントがあったまたは死亡した患者は9,035名であった。

著者らは、中等LDL-C値の患者と比べて、低LDL-C値の患者が主要有害心イベントのリスクに有意に関連していなかったと報じている。しかしながら、高LDL-C値と比べて、中等LDL-C値は主要有害心イベントのリスク低下に関連があった。

著者らは、研究を既存の虚血性心疾患患者と限られた一般化可能性を含む多くの研究の制限を注記している。

「われわれの結果は、低LDL-Cが二次予防において、すべての患者にとってよりよいという包括的な指針を支援するものではない」と結論づけている。

エディターズノート:LDL-C値とスタチン治療―動く標的か?
関連するエディターズノートの中で、JAMA Internal Medicine誌のエディターRita F. Redberg氏(University of California, San Francisco)らは、以下のように述べている:Leibowitzらによる研究は、害が最低限の転帰に改善するために、最適なスタチン治療戦略とLDL-C目標値に関する現在進行中の議論に対して重要な情報を加えた。

Article: Association Between Achieved Low-Density Lipoprotein Levels and Major Adverse Cardiac Events in Patients With Stable Ischemic Heart Disease Taking Statin Treatment, JAMA Internal Medicine, doi:10.1001/jamainternmed.2016.2751, published online 20 June 2016.

http://www.medicalnewstoday.com/releases/311144.php
(2016年6月22日公開)

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