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MNT : がん : 血液 : 個別化がんワクチンによりAML患者の転帰に明るい見通し

23 Jan 2017

患者17例を対象とした試験では、個別化ワクチンを用いた免疫療法により再燃が予防され、副作用もほとんどないと思われる

ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンター(BIDMC)で実施された研究者ら主導の臨床試験で、個別化がんワクチンにより急性骨髄性白血病(AML、死に至ることもある血液がんの1つ)の罹患患者の転帰が著明に改善した。同研究者チームのScience Translational Medicine誌での発表によれば、このワクチンは、BIDMCがんセンターとダナ・ファーバーがん研究所の研究者らが長期的に協働して得られた産物であり、AML細胞に対する強力な免疫応答を刺激して、患者の大半は再燃を防ぐことができたとのことである。

BIDMCがんセンターの血液腫瘍部門主任兼がんワクチンプログラム責任者であり、ハーバード大学医学部教授でもある首席著者David Avigan, MDは、「免疫療法戦略では、体の防御系をうまく利用してがん細胞と闘う。個別化ワクチンを作り出すことによって、免疫系の力を使い、各患者のがんを選択的に標的にして、化学療法の副作用を回避する」と述べている。

AML患者は標準化学療法により寛解に達しても再燃することが多く、ほとんどの患者は最終的に死に至る。この試験では、BIDMCとダナ・ファーバーの共同チームが、標準化学療法を受けて寛解状態にあるAML患者17例を対象に個別化ワクチンを作製した。

平均年齢は63歳であったが、試験参加者の70%超が平均4年を超える追跡期間中に寛解状態を維持した。患者にワクチンを数回注射すると、血中および骨髄中の白血病特異的T細胞が増加した。T細胞は、体がウイルスなどの病原体(この場合はがん細胞)を認識、記憶するのにきわめて重要な免疫細胞である。AML細胞を認識するT細胞は、ワクチン接種前はごくわずかであったが、ワクチン接種後に増加したことから、同ワクチンが白血病に対する長期的な防御作用をもたらすのではないかと考えられる。

BIDMCがんセンターのがんワクチンプログラム共同責任者であり、ハーバード大学医学部助教でもある筆頭著者Jacalyn Rosenblatt, MDは、「このワクチンにより、免疫系を利用して、化学療法に抵抗性を示すと思われる細胞を含め腫瘍全体を標的にする。このワクチンによって広範囲にわたる持続的な免疫応答が得られ、重大な副作用がみられないことが分かったときには、本当に胸が高鳴った」と述べている。

このワクチンの基盤となったのは、ダナ・ファーバーの著名な医師Donald W. Kufe, MDによる初期の独創的な業績、その後のKufe、RosenblattおよびAviganによる発展と臨床応用、ダナ・ファーバーの成人白血病プログラム主任Richard Stone, MDやBIDMCの輸血医学部門責任者Lynne Uhl, MDなどの臨床研究者の貢献をはじめ、BIDMCとダナ・ファーバーの研究者らによる協力の成果である。

共著者のDonald W. Kufe, MDは、「我々のチームがこの個別化ワクチンを開発できたのは、次の前提を踏まえてのことである。それは、すでに定着したがんを効果的に治療するには、特に患者自身のがん細胞によって発現した新生抗原をはじめ、複数の抗原に対して免疫を誘導する必要があるというものだ」と語る。

また、研究者らは以上の有望な結果を踏まえて、このワクチンを用いる方法を他のタイプのがんを対象に検討している。

Avigan氏らは、AMLと同じく頻度の高い血液がんの1つ、多発性骨髄腫の患者を対象にこのワクチンの有効性を検証する全国規模の試験を主導している。この前例のない試みは、米国国立衛生研究所(NIH)が支援する臨床試験ネットワークの後援で実施されており、主要がんセンター15施設を結集したものとなっている。この類のない研究活動はオープンソース方式をとっており、参加施設がBIDMCでワクチン作製の訓練を受けていて、この治療が全国の患者に行き渡るよう協力していくという点は注目に値する。

この試験は、米国国立衛生研究所/国立がん研究所(NIH/NCI R21CA149987-02)およびLeukemia and Lymphoma Society Translational Research Programから助成金による支援を受けた。初期のワクチン研究には、Louis B. Mayer財団およびBarbara and James Sadowsky基金から追加支援を得た。

http://www.medicalnewstoday.com/releases/314644.php
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