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MNT : がん : 乳がん : 乳がんのリスクは、腹部脂肪より体内総脂肪のほうがより影響を受ける

25 May 2017

腹部脂肪より、むしろ体内総脂肪の減少が乳がんリスクの低減に関係している。Endocrine-Related Cancer誌に発表された研究はでは、いくつかの乳がんリスクマーカーのレベルは、腹部脂肪より、むしろ体内総脂肪を減らした閉経後の女性において低減したことを示した。これらの結果は、健康体重を維持することの重要性を強調し、肥満女性における食事と運動の計画に影響を与える可能性がある。

体脂肪は、閉経後の乳がんのリスクファクターとして有名である。しかし、特に腹部周りに蓄積された脂肪によるリスクの増大があるかどうかは不明瞭である。近年、腹部脂肪が、循環器疾患、2型糖尿病そして大腸がんを含むいくつかの疾患のリスクを上げることが報告されている。性ホルモン,テストステロンやエストロゲン、肥満ホルモン、レプチン、そして炎症性因子を含むいくつかの血液マーカーのレベルの上昇は、乳がんリスクに関係がある。

ある研究では、これらのマーカーが主に腹部に限局された脂肪において産生されることが示された。一方で、ほかの研究では、体重減少が乳がんマーカーの血液レベルにおける変化に関係していることが示された。これらの結果を総合すると、体脂肪は乳がんマーカーにおける重要な影響を及ぼす可能性があることを示しているようにみえる。

オランダのUniversity Medical Center Utrechtの研究者らによるこの研究では、243名の閉経後の女性が16週間で5-6kg減量した。性ホルモン、レプチン、炎症性因子の血液レベルは、減量前のレベルと比較した。体内総脂肪と腹部脂肪の変化は、レントゲンとMRIに基づくスキャンを使って測定された。

16週後、体内総脂肪の減少は、性ホルモンとレプチンを含む乳がんリスクマーカ―のレベルにおける有益な変化に関係していた。一方で、腹部脂肪の減少は、炎症性マーカーにおける減少に関係していた。

本研究を率いたEvelyn Monninkhof氏は、「腹部脂肪は、体内総脂肪とは関係なく、いくつかの慢性疾患のリスクを上げることが知られている。しかし、性ホルモンレベルを下げることに対して、体内総脂肪はもっと重要であるようにみえる」と述べた。

従来の研究では、乳がんリスクと腹部脂肪との矛盾する関係を報告していたが、この研究では、胴回りより、むしろ脂肪分布測定という方法に基づいたもっと正確なスキャニングを使った。Monninkhof氏は、「われわれは、時間と共に貯蔵脂肪とバイオマーカーの両方の測定を得た。そして、腹部脂肪にMRIを使用したのと同様に、体内総脂肪にはより正確なDEXA測定を使用した」と説明した。

Monninkhof氏は、「われわれの次のステップは、どの栄養プログラムまたは運動プログラムが体重増加と乳がんリスクの両方を抑制するために最適かを同定するために、どのように腹部脂肪と体内総脂肪を一番うまく克服すべきかを見つけることである」と述べた。

Article: Association between changes in fat distribution and biomarkers for breast cancer, Evelyn Monninkhof et al., Endocrine-Related Cancer, published 17 May 2017.

http://www.medicalnewstoday.com/releases/317498.php
(2017年5月17日公開)

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