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MNT : がん:タンパク質を標的にすれば、腫瘍の拡散を止められる可能性

23 Feb 2018

Oncogene誌に発表された新研究で、腫瘍が血管の増殖により腫瘍が拡散するのを助けるタンパク質を明らかにした。室内実験において、そのタンパク質を阻害すると、腫瘍が効率よく転移することを阻害した。

新研究は、カリフォルニア州のScripps Research Institute分子医学部の James P. Quigley氏とニューヨークシティのNew York University’s School of MedicineのDaniel Rifkin氏によって率いられた。Scripps Research InstituteのElena Deryugina氏が論文の筆頭著者である。

Deryugina氏と同僚らは、latent TGF-beta binding protein 3 (LTBP3)と呼ばれるタンパク質のレベルがより低ければ、ある特定のがん種の患者におけるよりよい生存転帰と相関するという見解から始めた。

転移を促進するために、LTBP3はTGF-betaとして知られるもう一つの化合物と結合する。TGF-betaは、腫瘍が拡散するのを助けるか拡散を止めるかどちらかが可能なので、がんにおいて二重の役割を果たすトランスフォーミング増殖因子である。

一般的に増殖因子と同様に、われわれの体は適切に機能するためにTGF-betaを必要とする。研究では、正常細胞と早期がんにおいてTGF-beta腫瘍を抑制する。しかし、より進行したがんでは、形質転換し、腫瘍増殖を促進することを示唆した。

今までのところ、研究者らにとって、この課題は正常細胞機能に対する重要な役割をかえることなく、TGF-betaの弊害を軽減することであった。

Deryuginaらは、新研究でLTBP3 と TGF-beta間の相互作用をより詳しく調査した。

同時に実施した前の研究から、彼らはLTBP3がそれ自身をTGF-betaに付着することでTGF-betaを調整するのを助ける多くの方法を知った。しかしながら、タンパク質がプロセスをさらにコントロールするか、がん転移を操縦することにおいて、単独で動作する役割を持つかどうかわからなかった。

LTBP3は腫瘍が血管を増殖させる

これを調査するために、彼らはヒト腫瘍細胞株と同様に齧歯動物と鶏胚がんモデルにおけるLTBP3 遺伝子を不活性化した。

ヒト細胞株は上皮性悪性腫瘍、頭頚部がん、そして線維肉腫からであった。齧歯動物もやはり、頭頚部がんの転移モデルを作るために使われた。

モデルすべてで原発巣はLTBP3なしでは適切に転移できないことを発見した。“われわれの実験結果はLTBP3が転移拡散の非常に早期の段階で活発であることを示唆した”とQuigley氏は説明する。

“特に”とDeryugina氏は述べる。“LTBP3は、血管新生と呼ばれるプロセスにおいて新しい血管を腫瘍が増殖させるようにみえる。血管新生は腫瘍細胞の脈管内への侵入にとって決定的に重要な意味を持つ。それは、がん細胞が規定サイズと浸透性のある血管へ入っていくときである。”

これらの結果は、低LTBP3値が頭頚部がん患者にとってよりよい前途を予見した前の研究を裏付けると著者らは述べる。

“まとめると、 これらの結果はLTBP3が新しい腫瘍標的を象徴することを示唆する ”と研究者らは結論づけた。―TGF-betaの正常な役割を邪魔することなく早期の腫瘍が進むことを防ぐ可能性がある。

将来的に、このチームは腫瘍内深く血管新生を推進することにおけるLTBP3 と TGF-beta間のコンプレックスダイナミックをより詳しく調査する計画をしている。

https://www.medicalnewstoday.com/articles/320898.php

(2018年2月12日公開)

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