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ecancer:泌尿器がん:多くの前立腺がん患者にとって手術は不要である

20 Dec 2018

進行性前立腺がん患者で、それ以外に関しては健康な男性の場合、手術によって大きな効果を得ることがあるが、前立腺がんの診断を受ける男性の多くは手術の必要性がない。

前立腺がんを患うスカンジナビア地域の男性の大規模集団を29年にわたって追跡した結果、研究者たちは上記の結論を見出した。

研究結果は The New England Journal of Medicine に発表された。

研究結果は、スカンジナビア前立腺がんグループ研究 4(Scandinavian Prostate Cancer Group Study Number Four / SPCG-4)を29年間追跡し、手術による効果を調べて得られたものである。

本研究では男性695例を2グループに無作為に割り付け、1つのグループでは手術療法、もう1つのグループでは症状の治療のみ(経過観察)を行った。

この調査の参加者は1989年から1999年の間に診断された。

対象患者のうち数名(12%)は前立腺特異抗原の血液検査(PSA検査)を受けたことでがんを早期発見できた。

この調査は、スカンジナビアで大規模なPSA検査の実施が開始する前の時期に行われた。

29年間の経過観察後、対象患者の80%は死亡した。

そのうち32%に関しては、死因は前立腺がんだった。

手術群では71例が前立腺がんで死亡し、経過観察群では110例が前立腺がんで死亡した。

研究結果によると、前立腺全摘除術を受けた患者の12%が前立腺がんによる死を免れ、19%は不治のがんを患っていたが、患者の大多数は他の死因で亡くなった。

さらに結果が示すところによると、症状の治療のみ受けた患者群と比べて、手術を受けた患者群は平均2.9年長く生存した。

研究結果により、進行性前立腺がんが前立腺内に限局し、それ以外に関しては健康な患者においては、手術によって大きな恩恵を受ける可能性が示された。

その一方で、多数の患者が前立腺がんと診断されたにも関わらず、生存中深刻な再発がなく、またこの疾患による死亡もなかったことが明らかになった。

前立腺がん患者に対して治療の有益性を最適化する、つまり前立腺全摘除術による恩恵とその副作用の的確なバランスを見つけることがきわめて重要である。

現在、PSAを通して、多くの男性が進行性や致命的症状を発症することがない前立腺がんと診断されている。

1990年代と比べると、より多くの前立腺がん患者は、進行性がんの兆候を呈している場合に限り、積極的に経過観察と治療を受けるべきである。

https://ecancer.org/news/15214-surgery-unnecessary-for-many-prostate-cancer-patients.php

(2018年12月17日公開)

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